【亜州ビジネス編集部】
中国で中秋節の定番菓子「月餅」の販売が低調だ。消費関連情報サイト「快消品網」によると、今年の中秋節前(8月14日~9月13日)の主要店舗における月餅販売額は前年同期比45.17%減とほぼ半減した。販売量ベースでは40.67%減。200人民元(約4700円)を超える高級ギフト商品の売れ行きが低迷する一方、ばら売りや低価格品に需要が集まっているという。香港紙・明報など複数メディアが21日付で伝えた。
明報によると、北京市内の小売店では、中秋節を目前にしても在庫が積み上がっている状況だ。東城区のスーパーでは、今年は仕入れ量を減らしたにもかかわらず、高価格帯の商品を中心に売れ残りが目立ち、一部ブランドは早くも値引き販売に踏み切った。例年はレジ付近に高級ギフト用の専用棚を設けていたが、今年は見送ったという。
消費者の商品選びも変化している。豪華な包装の商品より、ばら売りや手ごろな価格の商品が人気を集めているという。企業による取引先への贈答や従業員向け福利厚生としての需要も弱い。月餅の産地として知られる河北省石家荘市の藁城区では、中小メーカーから企業向け特注ギフトの受注不足を訴える声が相次ぐ。一般消費者向け販売に切り替えているが、「注文が少なく採算が取れない」とする事業者もある。
実店舗の販売が縮小する一方、電子商取引(EC)では価格競争が激しくなっている。ライブコマースを通じて低価格で大量販売しても、利益確保につながらないケースがあるという。
快消品網は、月餅市場について「社交のための贈答品から普通の食品へ戻りつつある」と分析した。消費者が包装や「体面」よりも味や健康、実用性を重視する傾向が強まっており、豪華な包装と高い上乗せ価格に依存してきた従来の販売モデルは転換を迫られている。
中国の月餅販売額は2025年に前年比5.9%減の282億4000万人民元に縮小。生産量は51万8000トンにとどまり、過去10年近くで初めてマイナス成長に転じている。




