【中国】AIが変える世界貿易、越境ECは「A2A」時代へ

【亜州ビジネス編集部】

中国で拡大する越境ECの現場で、人工知能(AI)が単なる補助ツールから自律的な「同僚」へと変貌を遂げている。山東省済南市で開催された「2026第5回山東越境EC交易会」では、ビッグデータ選品やAIコンテンツ生成などのスマート運営システムが相次ぎ公開された。AIが世界貿易のハードル下げる事例として注目が集まっている。中国新聞網が18日付で伝えた。

米アマゾン・グローバル・セリングが2026年6月に発表したデータによると、調査に応じた中国の出品者の98%超が既に何らかの形でAIツールを業務に利用。うち16%は個別業務でAIツールを利用する段階から、AIワークフローやAIエージェントに移行している。

阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)の幹部は、越境ECが従来のB2Bから「A2A(Agent to Agent)」の時代に突入していると指摘。今後は経営目標を提示するだけでシステムが自律的にタスクを細分化し、異なる専門AIエージェントが連携することで情報交換や取引仲介を行う時代に移るとの見方を示した。

実践的な導入も進んでおり、アリババのグローバルEC向けAIワークスペース「Accio」は、市場分析から商品選定、商品出品、店舗運営、広告運用分析、顧客対応までの一連の業務をカバーする。また、易運盈が展示した「AI盈海外展開エージェント」は、勤務時間外のカスタマーサポートや多言語翻訳を自動化することで、中国の県域にある貿易企業における人材採用難を緩和し、従来型企業の参入ハードルを下げている。

海外の市場や消費者側でもAIを軸にした購買行動が加速している。マレーシアの出展者によれば、バイヤーや消費者が直接AIにニーズを伝えて商品情報を検索する動きが広がっており、パキスタンでは82%の消費者がオンラインショッピングにAIを利用している。

対外経済貿易大学の陳進・教授は、「AIとビッグデータはグリーン製造にも活用でき、低炭素で持続可能なサプライチェーンの構築を支える」と指摘。その上で、企業は商品選定の最適化などの現実的な業務課題を起点として、成熟したソフトウエアサービスを優先的に採用し、段階的にAI活用を進めるべきとの見解を示した。


亜州ビジネスChina
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