【タイ】政策金利0.5%に据え置き、GDP予想は上方修正

【亜州ビジネス編集部】

タイ中央銀行は23日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(翌日物レポ金利)を0.5%に維持すると発表した。据え置きは3会合連続でアナリストらの予想通り。

景気後退スピードが以前の予想より遅く、景気回復に向けて現在の金利水準が適切と判断したという。今年の国内総生産(GDP)成長率予想はマイナス7.8%とし、3カ月前の予想から上方修正した。

中銀は6月、20年のGDP成長率がマイナス8.1%になるとの予想を発表していた。ただ、個人消費や民間投資の落ち込みが従来予想ほど大きくはならないと判断したほか、年間の輸出額伸び率の予想もマイナス21.2%に上方修正。20年のインフレ率はマイナス0.9%となるが、原油価格が上昇する中、以前の予想よりは下げ幅が縮小するとみている。

21年はプラス3.6%の経済成長を予想するものの、観光業が停滞する中で前回予想のプラス5.0%より低調になるとの見通し。タイ経済が新型コロナウイルス以前に戻るには少なくとも2年以上かかるとみている。同年の観光客数の予想は、従来の1620万人から900万人に下方修正した。

中銀は経済回復に向け、政府による景気刺激策とともに、中銀による金融政策が合わせて行われることが不可欠と説明。また金融機関が企業や家庭の債務返済プラン見直しを行うほか、省庁が協力してそれぞれの産業に見合った支援策をタイムリーに行う必要があるとしている。

中銀は今年に入って3度の利下げを敢行。利下げ余地が少なくなっているが、今後も緩和姿勢を維持するとしている。


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