学びを通して、次世代を担う“真の国際人”としての感覚・資質を養う「インターナショナルスクール(通称・インター校)」。
タイ・バンコク近郊には米国式や英国式のカリキュラムを取り入れるインター校が揃い、英語学習はもちろん、芸術やスポーツ、社会貢献といった多彩な教育分野に力を入れています。
世界的に有名な名門から新設校まで、校風や教育方針もさまざま。下記の学校紹介から気になるインター校をリサーチしてみては。
カリキュラムの違い
導入されているカリキュラムはアメリカ式、イギリス式(詳細は下図)に大別されますが、バックグラウンドは本国だけでなく、日本やシンガポールなど多様で規模もさまざま。タイ政府は“アジアの教育ハブ”を目指す方針を掲げており、それに応えるように、在タイ外国人や近隣諸国の子女を積極的に受け入れる学生寮付きの学校が増えてきています
●アメリカ式
SAT(全米共通の学力評価試験)による受験準備が中心のカリキュラム。卒業証明書が、世界各国の大学進学に必要な教育を修了した証明となります(日本の学校も同様)。
●イギリス式
IGCSE(国際中等普通教育証明書)やIB(国際バカロレア)などの単位取得を目的としたカリキュラム。日本の低・中・高学年のように2〜3年で学習段階が区切られ(Key Stage)、必修科目と学習内容が定められています。
※タイ国内のインター校は、2学期制・3学期制共に8月から新学期が始まるのが一般的。前者は8〜12月/1〜6月。後者は8~12月/1~4月初旬/4月下旬~6月に概ね分かれています(詳細は、各校にご確認ください)。
インター校の校風とは
ディスカッションを中心とする授業やスポーツ活動が特徴的。「自ら考え学び、動く姿勢」が求められ、日本式の「受け身・横並び」教育とは大きく異なります。サイエンスやアート、スポーツなど課外活動も活発で、ハイスクールでは3Dプリンターの設計技術、心理学、コンピューターを用いたIT関連知識の学習など、専門性の高いカリキュラムが用意されています。
日本語授業もあり
生活のメインが英語になると、日本語に不安を感じる保護者も多いでしょう。さまざまなバックグラウンドの学生が集うタイのインター校は、日本語(母国語)クラスを設けている学校が多数あります。入学前に確認してみましょう。
入学のタイミング
8月から新学年が始まりますが、通年で受け入れるところがほとんどです。学校によっては1学年あたりの日本人生徒数に上限を設け、欠員が出れば募集するところもあるため注意が必要です。
幅広い授業料
年間授業料は、10万バーツ程度から100万バーツ近くかかる学校もあります。また授業料以外に、各資格試験の費用、送迎費、ランチ代(任意)などが必要な場合も。
長期休みは日本の学校へ
一時帰国の際、日本の学校に体験入学をすることができます。滞在場所から通える学校や、帰国後に通わせたい学校があれば、一時受け入れが可能か問い合わせてみましょう。子どもにも在校生にも貴重な体験となるはず。申請方法は自治体や学校によって異なりますので、出国前に下調べを。
英語力と入学試験
英語に関しては、筆記テストで単語・文法・読解・作文・聞き取り、面接では会話を試されるため、一定の英語力は必要でしょう。中にはESL/EAL(英語が母国語でない生徒用の英語コース)に通うことで、入学が可能な学校もあります。
卒業前に帰任になった場合
卒業まであとわずか、というタイミングで帰任になった場合は、学生ビザを取得して滞在する選択肢もあります。寮がない場合、親も保護者ビザを取得する必要がありますが、帰国子女枠での受験が控えていれば卒業させたいのが親心。悔いのないよう計画を立てましょう。
学校選びのポイント
1.カリキュラム
子どもの進学プランに適した資格取得ができ、実力を伸ばすことができるかどうか。
2.通学時間
通学に時間がかかる場合、子どもの負担や勉強時間の妨げにならないかチェック。
3.宿題の量
ほぼ出ないところや、毎日数時間を費やすところなど学校によって異なるので、下調べを。