死んだと思っていたはずの人が生きていた。
ドラマや映画の世界の話かと思いきや、この驚きの出来事がここタイで起きたのだ。
ピッサヌローク県出身の女性(65歳)。約2年間の寝たきりの状態で暮らしていた女性は、11月22日の午後に容態が悪化。呼吸や脈も確認できなかったことから、家族は「死亡した」と判断したという。
女性はかねてから、「自分が死んだら、チュラーロンコーン病院へ献体してほしい」と希望していたため、家族は女性を棺に入れてバンコクまで来たのだが、病院側は「死亡に関する調書がなかった」として遺体の受け入れを拒否。
断念した家族は無料火葬をしてもらえるというノンタブリー県のワット・ラートプラコーンタム寺院まで出向いたのだが、まもなく事件が起こる。
それは火葬の直前、女性が眠る棺から「コン、コン」という音が聞こえてきたのだ。不審に思った僧侶は恐る恐る棺を開けると、横たわっているはずの女性が目をあけて手足を動かし生きており、僧侶らは唖然。女性はすぐに病院へ搬送され、ここで初めて医師の診断を受けることになった。
病院の診断で女性は、「極度の低血糖による重度の意識障害」に陥っていた可能性が高いとされ、血糖値が極端に下がることで呼吸や脈が極めて弱くなり、“死亡したように見えてしまった”のではないかと医師は説明した。
聞けば、本当に死亡したかどうかもわからない状態であったにも関わらず(医師の診察を受けていなかった)、役場の村長は死亡証明書を発行していたというのだから、本当に恐ろしい。
女性は棺から送った精一杯のSOSにより九死に一生を得ることとなった。




