中東情勢の影響でタイ全土で燃料不足に
建設、物流、お葬式まで、全方位を直撃

「ディーゼル売り切れ」を掲げるガソリンスタンド ©ナコーンサワン県広報局

タイ、給油パニック!

中東のホルムズ海峡封鎖を受け、世界のエネルギー事情が激変している。
イランと比較的友好なタイでさえ、自国籍の貨物船が攻撃を受けるなど、国内外に大きな衝撃が走っている。

3月17日時点で、タイ政府はディーゼルの天井価格を30Bに抑えるべく、1リットルあたり18.31Bもの巨額補助を石油基金から捻出。

エネルギー相は「もし30Bを超えたとしても、当面は33B以上にはさせない」と断言するが、結局のところイラン情勢次第という極めて不透明な情勢だ。

この先行き不安が、国民のパニックを誘発。地方や首都近郊のガソリンスタンドでは、ディーゼルやガソホール(ガソリンにエタノールを混ぜた乗用車用)の品切れが続出し、給油を待つ車が長蛇の列をなしている。

アユタヤ県の物流の主要道路アジアハイウェイ沿いのほぼ全てのスタンドでは「品切れ・燃料輸送中」の看板が立ち並ぶなど、現場の混乱は収まらない。

給油を500Bに制限し、携行缶への給油を禁止する所も出てきているが、漁船や建設車両の業者からは「実用的な措置ではない」と怒りの声。

なんと、腹いせにショベルカーで公道を走り、スタンドで直接給油を迫る業者まで現れる始末…。

また、タイ各地の寺院では燃料不足を理由に「火葬受け入れ休止」の告知が相次ぎ、農業や建設、物流からお葬式まで、今回の燃料不足騒動は全方位を直撃している。

これに対し、政府は「備蓄は90日分以上あり、東南アジアでも多いほう。今は単に燃料の輸送が急激な需要増に追いついていないだけ」と買い占めによる負の連鎖を指摘。

専門家からは、1970年代のオイルショックに匹敵する可能性を指摘する声も上がっている。

未曾有のエネルギー危機に、今、微笑みの国がかつてないほど激しく揺れている。

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