タイ史上に残る連続毒殺事件

ソンクランのある日、1人の女性がタンブン中に突然死。
その出来事が扉を開けた迷宮の連続毒殺事件とは…

このところ、一人の女性が絡む毒殺事件がタイのメディアを連日のように騒がせている。

事のきっかけはソンクランの4月14日、ラーチャブリー県のある寺院で起きた。境内の水辺でタンブン中の女性が倒れ、その場で心臓発作によって死亡。これだけだと単なる事故で終わるが、監視カメラには怪しい映像が残っていた。倒れた女性のすぐそばにいた友人が、助ける素振りをまったく見せていない。これを疑った警察は事件性を疑い取り調べを開始。解剖の結果、亡くなった女性からはシアン化カリウムが検出された。あの猛毒で知られる「青酸カリ」である。

そのため警察は25日、死亡現場で亡くなった女性と一緒にいた警察幹部の元妻でアムの愛称を持つサラーラット容疑者を逮捕。調べを進めていくと、アム容疑者の周辺では2015年から相次いで「突然死」が起きており、30日時点でその数は14人もいた。亡くなった人たちの共通点は全員がアム容疑者の知り合いで、彼女がほぼ全員からお金を借りていたことが判明。警察はそれが殺人の動機だと推測しているが、立証されればタイの犯罪史上で最多の犠牲者を出した連続殺人事件となる。

5月3日時点でアム容疑者はまだすべての容疑を認めていない。同日、共犯の疑いをかけられている彼女の元夫である警察幹部が、ナコーンパトム県の警察署に出頭。一般人にとって容易ではない青酸カリの入手への関与などがわかれば、この悲惨な連続殺人事件の迷宮を解く大きな鍵となるに違いない。ある専門家は、「すべてが事実なら極刑は免れないだろう」としている。

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