国民の9割以上が敬虔な仏教徒であるタイでは最近、僧侶絡みの不祥事が複数報じられている。戒律が厳しい上座部仏教のタイでは女性との接触を禁じられているが、戒律を破ってしまう僧侶が多いのも事実だ。そんなタイで、仏教界を揺るがす大スキャンダルが明るみに出ており、深刻な危機に直面している。
渦中にいるのは、通称「スィーカーゴルフ」(スィーカーは仏教用語で女性を指す)と呼ばれる1人の女性。女性は複数の高僧と性的関係を持ち、映像や写真を使った脅迫行為を行っていたとして警察に逮捕されたのだ。捜査が進むにつれ、事件の全容が徐々に明らかになっていき、タイ仏教界を巻き込む一大スキャンダルへと発展。
事の発端はある動画の流出。その動画には女性とバンコク都内にある寺院の元高僧「チャオクン・アーチ」の不適切な関係が映されており、警察による捜査のメスが入ることに。
その結果、関与が明らかになった高僧は少なくとも8人だとされ、なかにはピチット県のチャオカナ位(その地域を束ねる一番偉い高僧)も含まれていたという。また女性は僧侶から多額の金銭を受け取っていたとして、寺院の口座から個人口座への不審な送金については捜査中とのこと。
この事件により、現時点で9人の有名高僧が還俗(僧を離れて俗人に戻る)を表明しており、タイ仏教界はもとより国民への影響も心配されている。世間からは戒律を守るべき僧侶自身にも問題があるとして、「汚い高僧を暴いてくれて逆に感謝している」という皮肉たっぷりの声が上がる始末。
仏教への信頼を復活させることができるのか、今後の行方を見守りたい。




