【マレーシア】新首相にアンワル元副首相、国王が任命

【亜州ビジネス編集部】

マレーシア国王は24日、19日の総選挙で最多議席を獲得した野党連合、希望連盟(PH)の議長であるアンワル元副首相(75)を第10代首相に任命した。

選挙ではいずれの政党連合も過半を確保できず、連立政権樹立に向けた協議が行われたが難航。国王の仲裁により希望連盟が第3勢力と連立を組み、政権を樹立する道筋が付いた。各紙が伝えた。

下院222議席を争った総選挙では希望連盟が最大の82議席を獲得。ムヒディン前首相の統一プリブミ党(PPBM)が属す国民同盟(PN)は73議席で、独立当初から長年政権を担った統一マレー国民組織(UMNO)率いる国民戦線(BN)は30議席に終わった。

過半を確保した政党連合がないことから連立政権樹立に向けた協議が行われたが難航。国王仲裁のもと、希望連盟とは対立関係にあったUMNOとサラワク州の地方政党が協力に合意したことで過半議席を確保し、決着が付いた。

アンワル氏は同日、首都クアラルンプールで行われた宣誓式を経て、首相に就任した。その後の会見では、政権に対する国民の信頼を取り戻すことが第一であると述べ、首相として給与を受け取らないと話した。一方、専門家らは、新型コロナウイルス禍からの経済回復やインフレ抑制、民族間対立の沈静化などで手腕が期待されるとしている。

同氏は、マハティール氏が1990年代に首相だった際に副首相を務めた。首相の座に最も近いと目されたが、アジア通貨危機の対応を巡りマハティール氏と関係が悪化。98年に副首相を罷免され、UMNOからも追放された。その後、同性愛と汚職で逮捕され、計9年服役した。18〜20年のマハティール政権には希望連盟の幹部として参加し、次期首相として与党連合内で合意がなされたが、結局実現しなかった。


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