【アセアン】タイ周辺国の高成長予測=サイアム商銀

【亜州ビジネス編集部】

タイの商業銀行大手、サイアム商業銀行(SCB)傘下の調査機関であるエコノミック・インテリジェンス・センター(EIC)は1月31日、2023年にCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の国内総生産(GDP)が高成長を遂げるとの予想を明らかにした。ただし新型コロナウイルス流行前の伸び率は下回るとみている。

国別の成長率予測は、ベトナムが6.2%、カンボジアが5.5%、ラオスとミャンマーが3.0%。中国の新型コロナウイルス関連規制緩和により、コロナ前に観光客の30〜35%を占めた中国人の来訪が増え、各国の観光業が回復するとみている。また観光客が戻ることでサービス業も上向くと予想している。

一方、世界的な景気後退がみられる中、輸出や海外からの外国直接投資(FDI)は低調になるとの見方。特に世界のサプライチェーン(供給網)との関わりが深いベトナムへの影響は大きく、22年には8.0%に上ったGDP成長率が6.2%まで下がり、CLMVで唯一減速するとみている。

EICはまた、各国の中央銀行が物価高や通貨安を受けて、政策金利を引き上げると予想。ただインフレが落ち着く23年後半は金融正常化のペースが遅くなるとみている。

タイからCLMVへの投資は徐々に増加すると見込む。過去数年は新型コロナ関連規制で難しかったが、これまで準備してきた案件が今後進む見通し。またCLMV諸国が新たな自由貿易協定(FTA)を結んでおり、中国やインドに比べ労働コストが安いことから投資への魅力が高まっていると評価している。


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