【アセアン】東南アの日系製造業、4~6月は5%減収

【亜州ビジネス編集部】

日本の経済産業省が27日発表した2023年4~6月期の海外現地法人調査によると、東南アジア10カ国に進出する日系製造業の現地法人の売上高合計は、前年同期比4.6%減の645億米ドルだった。減収は3四半期連続。各国で輸出が落ち込む中、減少幅は前四半期(1.9%減)から拡大した。

業種別では12業種のうち10業種で減収。非鉄金属(34.4%減)や窯業・土石(21.3%減)の落ち込みが大きかった。一方、輸送機械(3.5%増)はプラスを維持し、鉄鋼(1.2%増)は3四半期ぶりのプラスに転じた。仕向け先別では日本向けが1.1%の増収だったものの、自国内向けが3.7%減収、日本以外の第三国向けが10.5%減収と落ち込んだ。特に非鉄金属の第三国向けが48.4%減と大幅なマイナスだった。

タイは3四半期ぶりのプラス
国別の売上高は、域内主要6カ国のうち電子産業の低迷が続くシンガポール(22.0%減)の減少幅が最も大きく、マレーシア(16.5%減)も2桁のマイナス。ベトナム(9.9%減)とインドネシア(4.1%減)、フィリピン(2.3%減)も落ち込んだ。一方、タイ(0.5%増)は小幅ながら3四半期ぶりのプラスとなった。

東南アジア10カ国への設備投資額は6.7%減と、9四半期連続のマイナス。繊維(55.7%減)や輸送機器(30.6%減)などで前年を割り込んだ。国別ではインドネシア(81.9%増)とマレーシア(35.6%増)で大きく伸びる一方、タイ(37.0%減)やベトナム(19.0%減)でマイナスだった。

調査対象は、本社が資本金1億円以上かつ従業員50人以上、海外法人が従業員50人以上などの条件を満たす企業で、東南アジア域外も含む全体で5401社。締め切りまでに4115社(76.2%)の回答を得た。


亜州ビジネスASEAN
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