【アセアン】6月の東南ア製造業PMI横ばい、越・タイは好調

【亜州ビジネス編集部】

米S&Pグローバルが1日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2024年6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7だった。前月から横ばいで、景気拡大と悪化の分かれ目である50を上回るのは6カ月連続となる。調査対象7カ国のうち5カ国で前月から指数が低下したものの、ベトナムとタイで前月を上回り、特にベトナムは新規受注の好調で22年5月以来の高水準となった。

域内全体では生産高と新規受注が引き続き堅調に拡大し、完成品在庫が減少。雇用は3カ月ぶりの増加に転じた。ただ、新規受注は内需が中心で、輸出受注は減少が続いている。一方、インフレ圧力が高まっており、S&Pは、各国の政策金利がより長期にわたって高止まりする可能性があると指摘した。

国別では7カ国のうちマレーシア(49.9)を除く6カ国で50を上回った。ベトナム(54.7)は前月から4.4ポイント上昇。新規受注が急増したためで、受注増を受けて生産高も大きく伸びた。一部企業では人手不足で生産が追いつかない状況という。S&Pは、急成長によって生産コストが押し上げられ、将来の需要を鈍らせる要因になり得ると指摘。ただ、当面は受注増を享受できるとの見方を示した。

タイ(51.7)の指数は1年ぶりの高さとなった。生産量の増加ペースが加速し、今後の見通しを楽観する企業も増加。新規受注は落ち込みが続くものの、下落幅が縮小している。

一方、マレーシアは小幅ながら2カ月ぶりに50を割り込んだ。需要の伸び悩みで生産がやや縮小した。ほか、フィリピン(51.3)やインドネシア(50.7)は50超を維持したものの、前月からは指数を下げた。


亜州ビジネスASEAN
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