【アセアン】25年の域内経済成長4.7%予測、ADBが据え置き

【亜州ビジネス編集部】

アジア開発銀行(ADB)は9日発表した「アジア経済見通し2025年4月版」で、東南アジアの25年の国内総生産(GDP)成長率予測を4.7%とし、前回発表(24年12月)から据え置いた。主要6カ国のうちタイとマレーシアで上方修正し、フィリピンは下方修正。残り3カ国は据え置いた。

今回の予測は25年2月10日~3月31日までの各国情報に基づいて作成。そのため、米政府が4月2日に公表した相互関税の影響は反映されていない。

タイ(2.8%)の予測は0.1ポイント引き上げた。観光業が引き続き成長をけん引するほか、製造業の輸出も緩やかに増加するとみている。

マレーシア(4.9%)は0.3ポイントの上方修正。25年2月の最低賃金引き上げによって内需が拡大する見込みで、米中貿易摩擦による不確実性はあるものの、輸出も堅調な伸びが見込めるとした。ただ、24年実績(5.1%)からは減速すると予測した。

一方、フィリピン(6.0%)は0.2ポイントの下方修正。家計支出の伸びが予想以上に鈍化していると指摘した。ベトナム(6.6%)、インドネシア(5.0%)シンガポール(2.6%)の3カ国は前回から据え置いた。

主要6カ国以外では、◆カンボジア=6.1%◆ラオス=3.9%◆ブルネイ=2.5%◆東ティモール=4.0%◆ミャンマー=1.1%――と予測した。

東南アジア全体では、個人消費と観光需要の継続的な伸びを受けて堅調な成長が見込めるとしつつ、地政学的な緊張の高まりや米国の政策の不確実性などを下振れリスクに挙げた。


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