【ベトナム】改定電源開発計画を首相承認、新たに原発盛り込む

【亜州ビジネス編集部】

政府は15日、「第8次国家電源開発計画(PDP8)」の改訂版(改定PDP8)を承認する首相決定768号(768/QD-TTg)を公布した。2030年までに発電能力の28~36%を再生可能エネルギー(水力発電を除く)で賄うとしたほか、新たに原子力発電も電源構成に盛り込んだ。政府公式サイトなどが伝えた。

改定PDP8は、50年を見据えた30年までの電源開発計画で、国内総生産(GDP)が26~30年に年平均10%、31~50年に年平均7.5%成長することを想定して作成した。総出力を30年までに現在の2倍超に引き上げ、18万3291~23万6363メガワット(MW)とすることを目指す。23年に承認された旧版では、30年までに15万200MWとする計画を掲げていたが、目標を上方修正した。また、26~30年に投じる電源・送電網の開発費用は1363億米ドルとした。

30年までに電源別の出力を下記などとする。

◆太陽光=4万6459~7万3416MW

◆陸上・沿岸風力=2万6066~3万8029MW

◆水力=3万3294~3万4667MW

◆石炭火力=3万1055MW

◆液化天然ガス(LNG)火力=2万2524MW

◆原子力=4000~6400MW

◆輸入=9360~1万2100MW

従来のPDP8では、原子力は電源構成に含まれていなかったが、16年に白紙撤回された中南部ニントゥアン省での原発開発計画が再始動したことを受けて新たに追加した。

オフィスビルや住宅の消費電力については、30年までに半分を屋根上設置型の太陽光パネルで賄う目標。一方、シンガポールやマレーシアなど近隣国への電力輸出は35年までに5000~1万MWを目指す。


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