【亜州ビジネス編集部】
カシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センター(KRC)は、2025年の実質国内総生産(GDP)成長率予測を前年比1.4%と発表し、5月の前回予測から据え置いた。米国の関税政策を巡る経済の不確実性については、90日間の猶予期間が終了する7月9日以降も高いままになるとみている。ただ、楽観シナリオとして、もし米政府が全ての国の相互関税率を基本関税のみの10%に抑えた場合、タイのGDP成長率は1.8%を見込めるとした。バンコクポストなどが伝えた。
米政府はタイの相互関税率を36%に設定している。同研究所の基本シナリオでは、GDP成長率が第1四半期に前年同期比3.1%となった後、第2四半期は2.3%、第3四半期は0.7%、第4四半期はマイナス0.4%に減速すると予測。通年の輸出額の伸び率はマイナス0.5%と予測し、前回予測から据え置いた。
楽観シナリオでは、GDP成長率が第3四半期に1.5%、第4四半期に0.3%、通年の輸出額の伸び率が0.5%となり、プラス成長を維持すると見込む。
インフレ率と外国人観光客数の予測は、両シナリオで同一。インフレ率は0.3%と予測し、前月の予測(0.5%)から引き下げた。また、デフレに突入するリスクが高まっていると指摘した。外国人観光客数の予測は3450万人に据え置いた。足元で中国人の来訪者数が落ち込んでおり、前年実績(3550万人)を下回るとみている。
24年の実質GDP成長率は2.5%で、前年(2.0%)から伸びが加速した。





