【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバルが1日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2025年7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1となり、前月(48.6)から上昇した。景気拡大と悪化の分かれ目である50を上回るのは4カ月ぶり。新規受注の落ち込みが緩和し、生産高が拡大した。一方、今後の見通しについては慎重な見方をする企業が増え、今後の生産減速が予測されている。
国別ではシンガポールを含む全7カ国で指数が前月を上回った。ベトナム(52.4)は4カ月ぶりに50超を回復。新規受注が増加に転じ、生産高の拡大が加速した。ただ米国の関税政策の影響で新規受注のうち輸出受注は依然として落ち込んでいる。また、一部で原材料不足が見られ、今後の成長の足かせになる可能性があるとS&Pは指摘した。
タイ(51.9)の指数は前月から小幅に上昇した。輸出を含む新規受注が好調を維持し、生産高が24年8月以来の力強いペースで拡大。購買活動も活発化し、在庫や雇用も増えた。また、ベトナムやインドネシアなどと異なり、企業の間で先行きを楽観する見方が強まっているという。
インドネシア(49.2)とマレーシア(49.7)は、引き続き景気悪化圏ながら前月からは指数が改善した。インドネシアでは生産高、新規受注とも前月から落ち込みが緩和。ただ前月に拡大していた輸出受注は落ち込んだ。マレーシアは逆に輸出受注の回復が指数全体を押し上げた。





