【亜州ビジネス編集部】
DIC(本社:東京都中央区)は19日、現地子会社のDICグラフィックスが工場内に食品接触可能な機能性コーティング剤の生産設備を新設したと発表した。ピザの箱や紙コップなどに塗ることで耐水・耐油性やシール性を付与するもので、これまで使われてきたプラスチックのラミネート加工に比べリサイクルしやすい特長がある。中国を含むアジア各国とオセアニア向けに生産し、持続可能な包装の需要拡大に対応する。
2030年までに年間1000トンの生産を目指す。工場はアジア地域の輸出拠点として戦略的な立地にあることから、将来のさらなる設備増強も検討するとしている。
DICによると、新設備では食品衛生管理に関する国際規格「HACCP」に則した設計を世界のインキ業界で初めて採用した。また、食品や医薬品などの「GMP基準」に準拠し、イスラム教の戒律に沿うハラル認証にも対応する。
同社の機能性コーティング剤は、紙やフィルムなどの基材に塗ることで必要な機能を与え、リサイクル適性に優れた包装の単一素材化を実現。プラスチックを代替し、リサイクルしやすい包装の開発と生産が可能になるという。





