【アセアン】東南アの消費者信頼感、経済楽観も家計に不安=UOB

【亜州ビジネス編集部】

シンガポール金融大手のユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)はこのほど、東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国の消費者信頼感指数(CSI)を初めて公表した。指数は54となり、「楽観」と「悲観」の分水嶺である50を上回った。マクロ経済に対する信頼感は比較的高い一方、家計に対する不安が強い消費者心理が明らかになった。

インドネシアとマレーシア、シンガポール、タイ、ベトナムが対象で、2025年5~6月に18~65歳の計5000人に実施したオンライン調査の結果を指数化した。UOBはこの調査を過去6回行っていたが、指数化して公表したのは今回が初めて。指数は経済環境や家計状況に関する6項目で構成される。

指数を項目別にみると、現在と将来の経済環境を「良好」とみる消費者の割合はそれぞれ57%、58%と高く、ともに1年前から3ポイント上昇した。1年後の家計状況については56%が「現状維持」または「改善」する見込みと答えたが、この割合は前回調査から3ポイント低下した。一方、給与カットの可能性を「不安」とする割合は46%で4ポイント上昇。長期的な家計を「不安」とする割合は48%で横ばいだった。生活費の上昇については「不安」が59%と高かったものの、1年前からは3ポイント低下した。

こうした中で「緊急時の資金を十分に備えている」としたのは79%で、将来の家計に不安が残る中で積極的に貯蓄する傾向が明らかになった。ただし若年層の備えは不十分で、Z世代の7%が「緊急資金や保険の準備が全くない」と回答。Z世代の73%、ミレニアル世代の71%が「将来より今の楽しみを優先する」と答えるなど、体験型消費への傾斜が鮮明となっている。

指数を国別でみると、ベトナムが67で首位を維持し、インドネシアが55で続いた。マレーシアは11ポイント上昇して53と改善が目立った。一方、シンガポールとタイはともに47で最下位となった。特にシンガポールは1年前から10ポイント低下し、マクロ経済に対する見方の落ち込みが顕著だった。UOBは、米国による4月の関税措置発表に伴う市場変動が影響したと分析している。


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