【亜州ビジネス編集部】
政府系のジュロン・タウン公社(JTC)が発表した2025年第3四半期の工業用不動産統計によると、賃料指数は前年同期比で2.3%上昇、前四半期比で0.5%上昇した。上昇基調は続いているものの、四半期ベースでは24年第3四半期以来で最も緩やかな伸びとなった。倉庫部門が最も堅調で、賃料は前年同期比で2.7%、前四半期比で0.9%上昇した。ビジネスタイムズが伝えた。
販売価格指数は前年同期比で5.7%上昇、前四半期比で0.6%上昇。ただ伸び率は鈍化しており、前四半期比では1年ぶりの低水準となった。セグメント別では、複数テナント型工場が前年同期比5.7%上昇、単一テナント型工場が同5.4%上昇した。前四半期比ではそれぞれ0.1%、2.1%の上昇にとどまった。
入居率は89.1%と高水準を維持し、前年同期から0.1ポイント上昇、前四半期比で0.3ポイント上昇した。倉庫、ビジネスパーク、単一利用工場はいずれも前四半期比で稼働率が改善。複数利用工場は横ばいだった。JTCによると、工業用不動産の総床面積は5390万平方メートルに達している。
JTCは、第4四半期に約21万平方メートルの新規供給を見込んでおり、うち単一テナント型工場が全体の61%、複数テナント型工場が36%、倉庫が3%を占めるとした。26~28年には追加で360万平方メートルが供給され、年平均では120万平方メートルとなる見通し。
不動産仲介のナイトフランク・シンガポールは、金利低下を背景に投資家の需要は引き続き堅調で、物流施設やデータセンター(DC)など安定収益が見込める資産への関心が高まっていると分析している。





