【亜州ビジネス編集部】
ゼネコン大手イタリアン・タイ・デベロップメント(ITD)が手掛けるインフラ工事で多数の死傷者を出す事故が相次ぎ、アヌティン首相は15日、事故が発生した工事2件に関するITDとの契約を解除して責任者に法的措置を取ると表明した。
まず14日午前に東北部ナコンラチャシーマ県で大型クレーンの転落事故が発生。中国が支援する高速鉄道事業の高架線路の工事現場から大型クレーンが落ち、現場下を走行中だったタイ国鉄(SRT)の旅客列車を直撃した。この事故で列車の乗客ら32人が死亡、60人以上が負傷した。
翌15日午前には、バンコク東郊の高架高速道路の建設現場で大型クレーンが転落。下の一般道を走行中だった自動車2台を押し潰し、2人が死亡、5人がけがをした。
ITDが手掛ける工事では、昨年3月にもバンコクで建設中だった高層ビルが地震で倒壊する事故が起きている。この事故では作業員ら90人以上が死亡した。
事故が起きた高速鉄道と高層ビルの建設には中国インフラ建設大手の中国中鉄も関わっていた。タイ国内ではITDと中国への批判が強まっている。
ITDは2024年まで6期連続の赤字で資金繰りが苦しく、公共工事の受注が止まれば経営危機が深刻化する見通し。22年末に1.91バーツだった株価は昨年末に0.26バーツ、事故後の今月15日に0.20バーツまで下げた。





