【アセアン】3月の東南ア製造業PMI、中東紛争で3カ月ぶり低下

【亜州ビジネス編集部】

米S&Pグローバルが1日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2026年3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.8となり、前月を2.0ポイント下回った。指数の低下は3カ月ぶり。景気拡大と悪化の分かれ目である50を9カ月連続で上回ったものの、中東紛争の激化を背景に受注や生産の拡大ペースが鈍化した。

中東紛争のASEAN製造業への影響について、S&Pは、価格上昇圧力の高まりが最も顕著だったと指摘。購買価格の上昇率は22年10月以来の高水準となり、販売価格も上昇が加速したという。今後の見通しは不透明であり、戦闘の激しさと期間に左右されるとしている。

新規受注と生産高は3月も増加基調を維持したものの、前月から失速。新規受注のうち輸出受注は落ち込んだ。購買活動が低迷したことで原材料在庫も伸びが縮小。また、完成品在庫は4カ月ぶりの減少に転じた。

国別では、シンガポールを含む7カ国のうちベトナム(51.2)など4カ国でPMIの伸びが鈍化した。一方、マレーシア(50.7)が2カ月ぶりに50超となり、7カ国すべてが「景気拡大圏」に入った。

ベトナムでは購買価格が急騰したことで販売価格の伸びが約15年ぶりの高水準を記録。需要を抑える要因となり、生産高と新規受注が減速した。中東への石油依存度が高いことから、ホルムズ海峡の混乱が改善されない限り短期の見通しは暗いとS&Pは分析している。

一方、タイ(54.1)は2カ月連続で指数が上昇した。新規受注の拡大ペースが加速し、生産高も堅調。受注が生産の伸びを上回ったことで受注残も拡大した。購入・販売価格は安定しており、販売価格はわずかに低下している。ただ中東紛争の影響で今後の見通しを楽観する見方は後退した。また、S&Pは今後について、石油・ガスの供給不足が懸念されるとしている。

マレーシアは需要が改善したことで生産高が緩やかながら拡大。雇用もわずかに増えた。一方、中東紛争に起因する原料高で購買活動は9カ月ぶりに縮小した。インドネシア(50.1)はコスト高などで新規受注と生産高が落ち込んだものの、全体の指数は9カ月連続で50超を維持した。


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