【亜州ビジネス編集部】
貿易産業省は11日、2026年第2四半期の実質国内総生産(GDP、確定値)成長率が前年同期比5.9%だったと発表した。速報値の5.7%から上方修正された。第1四半期(6.3%)からは伸びが鈍化したものの、高い成長を維持。上半期では前年同期比6.1%となった。同省は上半期の成長が想定を上回ったほか、世界的なAI(人工知能)関連投資が拡大していることを踏まえ、26年の年間成長見通しを従来の2.0~4.0%から4.5~5.5%へ上方修正した。
第2四半期の成長率を産業別にみると、製造業は12.5%となり、前四半期(7.3%)から伸びが加速した。AI関連需要を背景に電子と精密エンジニアリングがけん引した。建設業は5.8%で、公共・民間ともに建設需要が拡大した。
サービス業は4.9%だった。卸売りが8.3%と伸び、通信・コンピューターや電子部品の取引拡大を背景に機械・設備がけん引した。一方、外食はマイナス1.5%と縮小。居住者の海外旅行の増加や外国人旅行者の減少が影響した。
GDP成長率は季節調整済み前四半期比で1.4%となり、第1四半期の1.2%から伸びが加速した。製造業は6.3%と前四半期のマイナス2.8%から大きく反発。一方、建設業はマイナス2.5%だった。サービス業は0.5%となり、前四半期の2.1%から伸びが鈍化した。
第2四半期のその他の指標をみると、失業率は2.0%で前四半期から横ばい。固定資産投資の認可額は54億シンガポールドル(約6720億円)となり、前四半期の2.3倍に拡大した。物品輸出は前年同期比38.5%増、輸入は42.2%増だった。
貿産省は、世界的なAI関連投資が想定以上に拡大し、生産や輸出を押し上げていると分析。下半期もAI関連の設備投資がさらに加速し、電子や精密エンジニアリングのほか、機械・設備関連の卸売りなどに恩恵が波及するとの見方を示した。情報通信は企業のAI関連需要、金融・保険は堅調な融資需要などを背景に底堅く推移すると見込む。
一方、中東情勢に伴う原燃料の供給混乱を受け、石油・石油化学を含む化学部門は低迷が続くと予想。燃料価格の高止まりは海運や航空、宿泊にも重荷となると見ている。中東情勢の一段の悪化によるエネルギー価格の上昇、米国による追加関税、AI関連投資への期待後退に伴う金融市場の急落などもリスクに挙げた。




