【亜州ビジネス編集部】
シンガポール民間航空庁(CAAS)は3日、出発便に対して課す再生航空燃料(SAF)賦課金について、航空貨物への導入を1年延期すると発表した。2028年1月1日以降に出発する便で、27年10月1日以降に契約が締結された輸送サービスから適用する。旅客向けは予定通り、27年1月1日以降の出発便で26年10月1日以降に販売されたものを対象とする。
航空貨物は航空会社に加え、国際宅配会社や貨物フォワーダー、荷主など幅広い事業者が関与し、商取引の形態も多様なことから、業界の意見を踏まえて延期を決めた。CAASは延期による1年間で業界と連携し、賦課金の徴収体制を整備する。
旅客向けの賦課金は距離や座席クラスに応じて1.0~41.6シンガポールドル(約120~5000円)に設定。対象はシンガポールを出発地とする旅客で、乗り継ぎ客からは徴収しない。ビジネスジェットなど一般航空も旅客と同じ日程で導入する。賦課金は航空運賃の内訳に独立した項目として表示する。
徴収した資金はSAF基金に拠出し、SAFやその利用による二酸化炭素(CO2)削減効果を示す「環境価値」の調達などに充てる。CAAS傘下の非営利会社シンガポール・サステナブル・アビエーション・フューエル(SAFCo)が賦課金の徴収やSAFの調達、環境価値の管理・配分を担う。
SAFCoは8月、SAFの調達や環境価値の配分に関する初の試験運用を完了した。シンガポール航空や格安航空会社(LCC)スクート、DBS銀行、米グーグルなど9社が事業に参加した。年末までに賦課金を原資とするSAF調達の提案依頼書を発行し、27年半ばに最初のSAFの納入・給油を目指す。




