【中国】人型ロボ「2年で7割値下がり」企業も、ハードの価値は低下

【亜州ビジネス編集部】

中国で人型ロボットの価格低下が進んでいる。宇樹科技の人型ロボットの平均販売価格は2025年に16万6400人民元(約390万円)と、23年の59万3400人民元から2年間で約72%下落した。量産化と部品の国産化が進むなか、業界では完成品そのものより、ソフトウエアやデータ、力覚センサーなど中核部品の重要性が高まっている。毎日経済新聞が22日付で伝えた。

宇樹科技は26年6月、消費者向け「R1」シリーズを2万9900人民元からに値下げした。北京松延動力科技集団も小型人型ロボットを1万人民元未満で投入する。ゴールドマン・サックスは、世界の人型ロボット平均価格が25年の4万1800米ドルから35年に2万1300米ドル(約340万円)まで約49%下落すると予測しているが、中国ではそれを上回るペースで価格低下が進む状況だ。

背景にあるのが部品の国産化だ。中国信息通信研究院によると、人型ロボットの中核部品の国産化率は75%を超えた。中国のサプライチェーンを使わなければ、1台当たりのコストは13万1000米ドルに膨らむとの試算もある。

価格競争が進む一方、業界の評価軸は「走る、跳ぶ」といったデモ性能から、工場や介護など実際の現場で仕事をこなせるかへ移っている。専門家からは「ハードウエアの価値は低下し、本当の参入障壁はソフト、データ、物理制御との融合にある」との声が上がっている。

川上部品には商機が広がる。6軸力覚センサーを手掛ける藍点触控(北京)科技は、25年に関節用力覚センサーを約10万セット出荷した。現在の設備稼働率は100%近くに達し、新規能力を含めれば年産100万セット規模の生産を見込む。

端末側の演算能力も競争領域になっている。広州華睿智普人工智能科技は3ナノメートル技術を採用したフィジカルAI向け演算装置を投入し、27年1月の量産開始を目指す。人型ロボット市場は完成品の競争から、実用性を支えるソフト、データ、部品で付加価値を競う段階に入りつつある。


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