タイ国内では「PM2.5(微小粒子状物質)」による深刻な大気汚染が悪化の一途をたどっています。
そんな時に便利なのがPM2.5の数値が測定できるスマートフォンアプリ。このアプリを使えば、毎日の大気汚染状況をリアルタイムで確認することができるのでアプリをダウンロードしておくと安心です。
PM2.5とは
PM2.5は大気中に浮遊している直径2.5マイクロメートル(1マイクロメートルは1mmの1000分の1)以下の小さな粒子「微小粒子状物質」のこと。人の髪の毛の直径が約70マイクロメートルなので、その小ささが分かります。
成分は炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、ナトリウム、アルミニウムなど。PM2.5は粒子が非常に細かいため、肺や血液中に侵入すると人間の健康にも影響をもたらします。また、呼吸器系疾患、心血管系疾患、がんなど、特に子どもや老人、妊婦に与える影響が大きいと考えられています。
発生原因
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PM2.5の発生源としては、人為的原因や自然由来のもの、または他の汚染物質などから発生するとされています。
特に渋滞が深刻なバンコクのPM2.5の発生源のうち、排ガスによる大気汚染が約6割を占め、他地域(北部など)では野焼き・山火事によるものが原因となっています。
- 自動車の排気ガス(主にディーゼル車、ガソリン車)
- 工場からの排気
- 燃焼(物を燃やす、野焼きなど)
- 気体の化学反応
注意
どのくらいの濃度で体に悪影響が出るの?
世界保健機関(WHO)をはじめ世界各国では、それぞれPM2.5が一定の基準値を超えると健康に害を与えるレベルと認定しています。
タイが定めるPM2.5環境基準値
タイ:37.5µg/㎥(1日平均値)、15µg/㎥(年平均値)
※WHOが定める環境基準値は1日平均値15µg/㎥以下、年平均値5µg/㎥
タイの環境基準値はWHOが定める基準値(15µg/㎥)を大きく上回っています。PM2.5の分布が多い時期のバンコク都内の数値レベルは、1日平均で「100µg/㎥」近くまで達することもあります。数値はこまめにチェックしましょう。
PM2.5による症状の一例
※個人によって症状は異なります。
※症状がひどい場合は病院の診察を受診してください。
短期的な影響
- 目:かゆみ、目の充血、まぶたの腫れ、異物感、めやに、流涙など
- 鼻:鼻水、鼻づまり、くしゃみ
- 喉:かゆみ、腫れ、声がかれるなど
- 肌・皮膚:かゆみ、赤み、発疹、じんましんなど
- 神経・脳:頭痛、頭重感、疲労感、不安感など
- 呼吸器:咳、痰、喘息、息切れ、呼吸困難、上気道炎など
長期的な影響
- 呼吸器疾患(喘息、肺炎、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)
- 冠動脈疾患
- 肺組織障害
- 心血管疾患
- がん(肺がん、乳がんなど)
- 脳卒中
特に注意すべき人
タイでは大気汚染に対してしっかりとした対策を取らなければ、健康被害や病気へのリスクが高まるおそれがあります。また、次の方はより影響を受けやすい可能性があるので普段から健康管理を心がけましょう。
- 乳幼児
- 子ども
- 妊婦
- 高齢者
- 呼吸器疾患のある方
- 基礎疾患のある方






