ムエタイの若武者福田海斗独占インタビュー


日本人ムエタイ選手、福田海斗さんをご存知だろうか。中学1年生の夏にプロデビューして以降、学業と両立しながらタイ遠征を繰り返し、当時から「本物のムエタイができる日本の少年」としてタイで有名に。高校卒業後はムエタイに専念し、これまで数々のタイトルを獲得。一躍トップ選手の仲間入りを果たす。「チョコレートと漫画が大好き」というごく一般的な若者の一面も垣間見える、魅力たっぷりな海斗さんの素顔に迫る。

ムエタイとの出会いは

きっかけは、小学3年生の時に友人から「一緒にムエタイジムに入らない?」と誘われたことでした。

当時、特にムエタイに対して憧れがあったわけではなかったのですが、初めての試合で負けてしまいまして。

それが本当に悔しくて、それからムエタイにのめり込みましたね。

それでも5年生までは東京の強い選手には勝てませんでした。

そこで、月曜日以外は毎日4〜5時間ほど練習することに決め、やっと6年生の時に国内のムエタイ40㎏級ジュニアチャンピオンになることができました。

中学1年生でプロデビューしました

もともとプロになることが目的ではなく、ただ単にムエタイの本場であるタイで自分の実力を試したかったからという気持ちの方が強かったですね。

ただ、デビュー戦にはあまり良い思い出はありません(笑)

試合には45㎏以上ないと出られなかったのですが、当時は体重が43㎏しかなくて。

計量当日に腹いっぱいご飯を詰め込んでなんとかクリアしましたが、その後は判定負けするし、

散々でした(笑)もちろん、今では良い思い出ですが。

それから2カ月に1回、タイへ遠征していたそうですね

学校の授業にも出ないといけなかったので、金曜の夜にタイへ向かい、月曜に帰ってくるという形で試合に出ていました。

ただ、当時は将来の道をムエタイ1本に絞るつもりはありませんでした。

中学卒業後に工業高校へ進学したのも、技術者として働けるようにしたかったからです。

ムエタイに集中しようと思った転機は

高校1年生の冬にWPMFの世界フライ級チャンピオンになったことがきっかけでした。

初めてプロのベルトを獲得した時、「もっと上のレベルを見たい」と思ったんです。

そして、「僕にはムエタイしかないな」とも改めて感じました。

以降もさまざまなベルトを勝ち取ってきました

ベルトはその時期に勢いがある選手が取れるものだと考えています。

僕の目標は「ムエタイで1番の選手になること」ですから、一瞬の活躍ではなく、ずーっと勝ち続けられる選手になりたいですね。

例えば、ムエタイの最高峰である「ラジャダムナンスタジアム」と「ルンピニースタジアム」のランカーになるには、長期間活躍し続けなければなりません。

ランカーになって初めて「一流」と言われるのかなと。

現在、「ラジャダムナンスタジアム」のバンタム級で3位となっていますが、目指すは1位。

もちろん、「ルンピニースタジアム」のトップも狙います。

福田選手にとって、ムエタイの魅力は

練習も減量も本当にきつくて、大変なことばかりなのですが、試合で勝った時にリング上で僕の名前が呼ばれた瞬間、何物にも代えがたい喜びを感じます。

試合中の駆け引きは楽しいですし、練習の成果が表れたときの嬉しさも一入です。

最初は負けん気で続けていたところもありましたが、気づかないうちにムエタイが本当に好きになっていました。
まだまだタイ人選手に比べて実践経験が少ないですが、(所属している)キング・ムエの佐藤会長と戦略を立てながら、2大スタジアムのランク1位になるよう、頑張っていきたいと思います。

遠征時には必ず漫画を持っていくそうですが

そうです。

一番好きなのは「ジョジョの奇妙な冒険」ですね。

セリフの言い回しとか、独特な世界観の絵が面白くて、キャラクターも皆魅力的です。

最近は少年ジャンプで連載中の「チェンソーマン」にハマっています。

先程ムエタイの楽しさをお話したばかりですが、やっぱり辛いことも多いので、漫画は良いストレス発散になりますね。


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