サッカーを通して喜びを 「Peace Ball Action」で笑顔を

26歳でタイに渡り、念願だったプロ選手としての人生をスタートさせた
樋口大輝さん。タイで暮らす中で芽生え、膨らんでいった“ある想い”から、
「Peace Ball Action Thailand」設立へと動き出しました。

サッカーを始めたのは、小学3年生。プロになりたいという想いを抱きながら、叶わなかった日本時代—「子どもの頃からの夢を実現させてくれたタイに、恩を強く感じています」。樋口さんは、「Peace Ball Action Thailand」設立のきっかけを、こう口にします。

樋口さんとタイの接点が生まれたのは、23歳の時に所属していたJFLガイナーレ鳥取(旧SC鳥取)。当時の監督がタイ人(ヴィタヤさん)であり、そのサッカー観に共感できる点が多かったという樋口さんは、チームを離れた後も定期的に連絡をとっていました。
「プロになりたいと実業団チームに退団を告げた直後、タイに本帰国していたヴィタヤさんから、『また一緒のチームで戦わないか』と連絡があったんです。自分の話は一切しておらず、奇跡的なタイミングでしたが、二つ返事でタイに飛びました。2011年1月でしたね」。

プロになって3年が経った頃、どうしたらタイに恩返しできるか、貢献できるかと考えていた時に見つけたのが、日本のNPO団体「Peace Ball Action」でした。

“サッカーを通して世界平和に貢献を”という理念を掲げ、戦災地や被災地、開発途上国、親のいない子どもたちにサッカーボールを贈り、交流を深める活動を知った樋口さんは、その代表者の元を訪問。自身の熱意を伝え、2014年にタイで活動をスタートさせました。

メーソートの子どもたちに
心の豊かさを教えてもらった

最初にボールを贈ったのは、タイ西部・ターク県メーソート郡の子どもたち。当初、スケジュールの都合上、現地へ直接ボールを届けられなかったという樋口さん。ただ“贈る”だけでいいのかという疑問と、プロサッカー選手が活動を行う意味を見つめ直し、翌年には自身で現地を訪問。同時に、現地での大会開催を決め、毎年200人を超える子どもたちが熱戦を繰り広げています。

「第1回、第2回は勝敗を通したサッカーの楽しさを意識していましたが、そうすると親が口を出すなど、第三者が介入してきちゃう。それは結果的に“やらされる”ことになってしまうので、3回目の今年は、勝敗を超えた“ピース”で幅広い楽しみ方を計画中です」とブラッシュアップを宣言。活動は4年目を迎え、延べ1000を超えるサッカーボールを、タイを含めた世界各国へ贈って来ました。その一方、子どもたちとの交流を通して、樋口さん自身がもらっているモノもあるのだそう。

「彼らは金銭面から見たら決して裕福とは言えませんが、貧しい=不幸というのはこちら側の勝手な見解で、彼らにとっては自分たちの生活がすべて。周りと比べる必要もないし、ボール1個で心から喜んでくれる。そんな純粋な心と豊かな生き方を毎回教えられますし、幸せの在り方ってなんだろうと考えさせられます」。

そうして初心に戻った時に改めて認識したのが、「ボールひとつですぐに始められる、人と人との交流が生まれる」というサッカーの魅力であり、原点でした。

「活動の大きなゴールは“世界平和”ですが、身の周りで見れば、ギクシャクしていた人間関係がサッカーをすることで解消される。ボールを追いかけることで雑念が消え、純粋に楽しい気持ちを共有できる。そうした交流を生み出す『Peace Ball Action』を、もっと多くの方々に発信していきたいです」。樋口さんの想いはボールと共に、タイ全土へ広がります。

メーソートで行った「Peace Ball Action 2017」大会。協力者と共に100個のボールを贈呈


PROFILE
樋口 大輝
Daiki Higuchi
1984年生まれ、熊本県出身。小学3年生からサッカーを始め、社会人から実業団チームに所属。2011年にタイに渡り、タイリーグで活動(チョンブリーFC〜ソンクラー・ユナイテッドFC〜タイ・ホンダ〜チャムチュリー・ユナイテッド)。ポジションはサイドバック。14年に「Peace Ball Action Thailand」を立ち上げ、主宰者として活動。


Peace Ball Action Thailand
10/28・29にメーソートで
ワールドカップ大会を開催!
“サッカーを通して世界平和に貢献を”という理念の元に活動(本部は日本)。新旧問わずご寄付頂いたサッカーボールを、国内外の子どもたちに贈っています(年中受付)。年1回、メーソートで大会を開催。詳細・ご質問などは、下記までお気軽にお問い合わせください。
[問い合わせ]
E-mail:daikihiguchi.1984@gmail.com
Facebook:Peace Ball Action Thailand


編集部より
「Peace Ball Action」と同時に樋口さんが考えているのは、タイのサッカー界を押し上げるための指導者への道。現在、ライセンス取得に向けた講習真っ只中。新たなステージにも期待です(山形)

取材・文 山形 美郷


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