人と人を繋ぐきっかけに ストリートスナップ「YOU & ME」

学生時代から海外志向。旅行を機に心惹かれていたタイへの移住を決意し、行動に移したのは2016年7月のこと。人を繋ぐことが天職とも言える増田友美さんが、ストリートスナップを通して結びつけたいものとは。

日本で5年勤めた前職を辞めた直後、求職サイトで目にした「求人条件:人と人を繋ぐことが好きな人」。この言葉が、友美さんをタイへと誘いました。

「見た時にピンと来ました! コレ、私のことじゃない? って(笑)。何故か昔から、人を繋ぐ機会が多かったんですよ。日本時代は友人から頼まれるなどして、人を集めるイベントを100回以上企画しましたね。また前職は社内業務が多く、ちょうどもっと人と関わる仕事がしたいと思っていた時だったんです」と振り返ります。

そうして導かれたのが、人材紹介会社「echoas Recruitment(Thailand)」。持ち前の明るさで順応し、企業と求職者を繋ぐというやりがいを実感する友美さん。その一方、タイ移住から1年が経った頃には、他の分野でも人を繋げたいという気持ちが芽生えていたのだそう。

「日本時代から起業したいという想いがあり、タイ人に向けた幅広いマッチングサイトを開設しようと思ったんです。けれど、開設しても見る人がいなければ意味が無い。その前にコンテンツを作り、注目度を高めることが必要だとSNSに目を付けたんです」。一人でもすぐに始められて、続けられるもの。そして、タイの“人”を介したもの―――。そう考え、思い至ったのが、SNSを使ってタイにいるオシャレな人たちを紹介する“ストリートスナップ”でした。「タイの人って、写真を撮るのも撮られるのも好きですよね。投稿写真にその人たちをタグ付けしたら、その人はもちろん、その友人にも見てもらえる。そこから派生していければと思ったんです。堅く考えすぎず、まずはやってみて、どんな反応があるか見てみようって」。


カフェで出逢った女性スタッフ。友美さんが「YOU & ME」の投稿を見せたら、「私の兄がいる!」と両者驚きの展開に

撮影を通して、改めて
感じたタイ人の優しさ

昨年7月、インスタグラムでスタートした「YOU & ME」。パンチの効いた小物使い、80年代ファッションから最新のトレンドを取り入れた人まで、タイ人を中心としたファッショニスタたちが並びます。友美さんは携帯を片手に、ナイトマーケットやイベント、カフェやバーといった人が集まる場所に出向き、投稿を継続。撮影を依頼した人がアーティストやファッションモデル、飲食店オーナーだったなど、日常では出逢えない人に遭遇したり、モデルをお願いした人からおすすめのスポットやイベントを紹介されたりするなど、自分では辿り着けない情報が自然と入ってくるようになったと嬉しそう。

「続けていくうちに人がどんどん繋がっていって、今まで知らなかった、新しいタイを教えてもらっている感じですね。私もそのお礼にではないですが、その人が経営するお店などがあれば、タグ付けしています。人だけじゃなく、お店への興味にも繋がればと思います」。

これまでに登場したのは、年齢性別問わず、シングル、カップル、ファミリーなど幅広い層の115人。今後はストリートスナップに加え、イベントも開催したいという友美さん。次のステージに向かうためにも、新たなやり方を考えていく時期だと口にします。「何ができるかを模索中ですが、撮影で出逢ったカフェやバーのオーナーも一緒にイベントをやろうと言ってくれたり。まだ趣味の延長線上ですが、写真1枚からこんな広がりがあるなんて、嬉しい発見でしたね」と目を輝かせます。

1人から始まり、“まだ見知らぬ誰かと誰か”を繋げてきた「YOU & ME」。自身を“歩くマッチングアプリ“と称する友美さんのもとには、今日も人が集います。


PROFILE
増田 友美
Yumi Masuda
1987年、福岡県生まれ。学生時代より海外に興味を抱き、大学在学中にオーストラリアで1年ワーキングホリデーを経験。国際物流に関わる企業に就職し、2016年7月、タイに移住。人材紹介会社「echoas Recruitment(Thailand)」のマネージャーとして、日々企業と求職者を繋いでいる。趣味は人と会って話をすること。リフレッシュ方法はマッサージ。


★YOU & ME★
タイのファッショニスタが集まるSNSアカウント
あなたの周りのオシャレさんをシェアしませんか? 自分のブランドやお店を紹介したい人も大歓迎。スナップ撮影希望者もぜひお問い合わせください。インスタグラムを通して、自分好みのファッションやお店に出逢うきっかけに。
[問い合わせ]
Instagram:streetsnap_you_and_me
Facebook:Bangkok Fashionista


編集部より
インスタグラム上で見かけてその存在を知り、知人を介してお会いした友美さん。取材は終わりましたが、友美さんとは“次の何か”で繋がる気がしてなりません。まさに、天職だと感じました


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