校内で鉈を振るいながら生徒を追いかける暴漢。
そんな男に忽然と立ち向かった一人の教師とは…

今年3月、埼玉県の中学校で60代の男性教員が、刃物を持って校内に侵入した高校生を取り押さえようとして切りつけられるという事件があった。まるでそれを彷彿させるような事件が、タイ東北部のチャイヤプーム県でも起きている。

同県クロンサーン市のとある学校に11月22日の朝、鉈を持った男が不法侵入。男は鉈を振りかざしながら生徒や教師を追い掛け回し、校内は騒然となる。そんな状況下で、なんと一人の体育教師(男性)が“鉈男”の前に立ちはだかったのだ。

100人近い生徒や教師が逃げ惑う中、低学年の生徒が男に追いつかれそうになる。その時体育教師がその子の手を引いて他の教師に委ね、自分が男の楯となった。そんな時間稼ぎが功をなして、生徒たちは無事教室に避難することに。体育教師は鉈で切られること恐れずに敢然と抗戦。この騒ぎに気付いた学校近隣の住民が集まり、男を取り押さえようとしたところ、“鉈男”はバイクに乗って尻尾を巻くようにして逃走した。体育教師は腕に切り傷を負ったが大事には至らなかったという。

ネット民の反応は「とにかくカッコよかった!」という賞賛の声が多数。中には「昨年の児童施設で起きた銃乱射事件のようにならなくて幸い」といった声も。タイの教育省からは、体育教師へ“感謝の意”が贈られた。

しかし識者の間からは、「この勇敢な体育教師を必要以上に賞賛することは、他の教員へのプレッシャーになる」との意見もある。たしかに、体育教師は誰もが認めるヒーローだが、その活躍は危険と表裏一体であることを忘れてはならない。

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