女性の自宅に裁判の召喚令状を届けにきた2人の警察官
新手の詐欺だと思った女性はSNSに啓発動画を投稿するのだが…

©Police News Varieties

タイでは特殊詐欺による犯罪が後を絶たない。最近ではより巧妙な手口による詐欺が増えており、詐欺とは知らずにトラブルに巻き込まれることも少なくない。

10月18日、チャイナート県で暮らすとある女性の自宅に2人の男性が「裁判所の召喚令状を届けにきた」と訪問してきたという。2人は警察官であると名乗り、身分証も提示したのだが、不審に思った女性は令状の受け取りを拒否し、スマホで2人の男性を撮影するという行動に出たのだ。

さらに女性は「日曜日にわざわざ自宅を訪ねるような“まじめな警官”がいるわけない」という理由から、“詐欺グループが警察を装って自宅に来た”という内容の啓発動画をSNS上に投稿。動画はあっという間に拡散され、詐欺への注意喚起として広く知れ渡ることとなった。

数日後、サイバー警察からこの件に関する声明が発表された。女性宅を訪問した2人の男性は正真正銘「本物の捜査官」であると判明したのだ。また、令状は裁判所が発行した正式なもので、どうやら女性の親族がオンライン詐欺事件に関与している可能性があったことから、その捜査の一環で自宅を訪れたようだ。

サイバー警察によると、電話で連絡し令状を郵送しても詐欺だと勘違いされ受け取ってもらえないことも多く、最終的に自宅訪問という形をとっているという。警察は、詐欺に気をつけていることは良いことと前置きしながら、「自分の判断でSNSに詐欺の啓発動画を上げる前に、まずは近くの警察署に問い合わせてほしい」と呼びかけている。

自己判断が思わぬ騒動を招くことも。間違った思い込みはほどほどに。

 

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