【亜州ビジネス編集部】
神戸製鋼所は1日、希土類(レアアース)化合物の生産販売などを手掛ける太陽鉱工がパハン州に建設する使用済み触媒リサイクル工場に資本参加すると発表した。特殊鋼など鉄鋼製品の原料となる金属を分離する工場で、神戸製鋼は出資によりサプライチェーン(供給網)の強化を図ると共に環境保全にも貢献する。
事業会社の太陽鉱工マレーシアに出資する。同州クアンタンのクエボ工業団地で昨年12月に工場を着工しており、2027年にも商業稼働させる予定。製油所で発生する使用済み触媒を年7000トン回収し、モリブデンとバナジウムを分離して日本に輸出する。日本では太陽鉱工がフェロモリブデンとフェロバナジウムに加工し、神戸製鋼が原料として使用する。
太陽鉱工は昨年11月、東洋エンジニアリングの現地子会社に工場のEPC(設計・調達・建設)を発注。今年半ばには国際協力銀行(JBIC)などから92億円の協調融資を獲得した。日本国内で石油精製量が減り、使用済み触媒の発生量も減少傾向にある中、マレーシア最大級の製油・石油化学コンプレックスから使用図み触媒を確保する体制を整備する。





