【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央銀行は20日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を0.50ポイント引き上げ、5.25%に改めると発表した。利上げは2024年4月以来、2年1カ月ぶり。利上げ幅は市場予想の2倍に当たり、中東情勢悪化に伴う世界的な金融市場の変動やルピア安への対応を優先して通貨安定を重視する姿勢を鮮明にした。
ロイター通信によると、同社が実施したエコノミスト調査では0.25ポイントの利上げ予想が中心だった。ペリー・ワルジヨ総裁はオンライン会見で、「今回の利上げは、中東戦争による世界的な変動の中でルピア相場の安定を強化する追加措置になる」と説明。2026~27年のインフレ率を目標レンジ内に維持するための予防的対応とも位置付けた。
ルピアは対米ドルで過去最安値を連日更新しており、20日午前には一時1米ドル=1万7745ルピアまで下落した。年初来では約6%の下落となり、新興アジア通貨の中でも下落率が大きい水準となっている。背景には、中東情勢の悪化を受けた資本流出圧力に加え、政府の財政支出計画や中銀の独立性、資本市場の透明性を巡る懸念がある。
ワルジヨ総裁は、利上げや市場介入、海外資金流入促進策によってルピアは安定に向かうとの見方を示した。企業による配当送金や対外債務返済、イスラム教の巡礼(ハッジ)関連で足元のドル需要は高いとした上で、「6月には為替相場は安定し、7~8月には強含む」と予想を述べた。
一方、中銀は26年の国内総生産(GDP)成長率見通しを4.9~5.7%に据え置いた。第1四半期の成長率は前年同期比5.61%となり、前四半期の5.39%から加速。家計消費や政府支出、建設投資が景気を支えた。4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は2.42%で、中銀目標レンジ(1.5~3.5%)内に収まっているが、ワルジヨ総裁は原油高などによるインフレ圧力には警戒が必要との認識を示した。




