現在、タイで猛威をふるう狂犬病。 撲滅のため、政府が提案した対策とは―
19日、ブリーラム県で14歳の少女が狂犬病により命を落とした。今年に入り、狂犬病感染で亡くなったのは計6人。
前年同期比の約2倍にも上る感染被害が報告され、国内ではさまざまな動きが出ている。
中でもテレビの討論会を筆頭に、感染源撲滅のために野良犬を安楽死させる“SET ZERO”が話題に。
しかし、バンコク首都圏庁のベンチャワン氏は「SET ZEROを実施したとしても、根本的解決には至らない」と一言。
それもそのはず。
政府は約50年前に実施したが、失敗に終わっていた。
その後、政府は動物愛護のため、犬・猫へのマイクロチップ装着を呼び掛け。
現在、バンコク都内では計7000匹ほどの登録があるという。
他にも、各地に野良犬の終身保護施設を設けるなどの政策を行っている。
にも関わらず、今回の狂犬病猛威。
タイ保健省のジェサダー次官の「飼い主への意識付けのためにも、ペット先進国のようにペット課税を導入すべきだ」という発言を受け、首都圏庁のアサウィン知事は「同案に賛成。
導入を検討している」と発表。
税徴収のための、明確な手続きや規制を検証しているという。
昨今、バンコクを中心にペットブームが熱いタイでは、動物病院やペットショップなどのペットビジネスが拡大し、ペット環境も過渡期に突入。
国民からは賛否両論の声が挙がっているが、まずはワクチン接種の徹底。
そして、ペットに対するモラルの在り方を、今一度考える時ではないだろうか。