「タイで絶対にやるべき5つの対策!タイでの知財拳(権)のため必要な5か条!(前編)」 – 知財・模倣対策の プロ講座!第10回

加藤 範久 - 日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所 知的財産部長

日本貿易振興機構(JETRO)

バンコク事務所 知的財産部長 加藤 範久 Kato Norihisa

2003年特許庁入庁。特許審査官として、土木、アミューズメント分野の特許出願の審査に従事。2017年10月より現職。

 

タイでの知財拳(権)5か条を覚えるべし!

連載第5回で日本国特許庁のPR動画「商標拳(権)」について紹介しました。

「本連載では、最後に、日系企業が、タイで絶対にやるべき対策として、タイでの「知財拳(権)」について説明します。
  知財拳(権)を「理解」すべし

「連載第1回でも説明した「知財権(知的財産権)」とは、人間の知的創造活動によって創作されたアイディア、ネーミングなどを創作した者だけが独占的に実施できる権利であり、それを財産権として保護する制度が「知的財産制度」です。



「知財権」には様々な種類があります。

その中で、技術的なアイディアである発明・考案を保護するのが「特許権」・「実用新案権」です。

また、デザインを保護する「意匠権」、さらに、商品の名称(ブランド)を保護する「商標権」があります。

この4つを「産業財産権」と言います。

産業財産権は、国ごとに出願を行い、登録されることで初めて権利が発生します。

一方、著作権は著作物が創作された時点で権利は発生しています。


知財拳(権)を「会得」すべし

その①でも説明した通り、「著作権」と違い「産業財産権」は出願して登録された時点で初めて権利が発生します。

模倣品・海賊版に対して、産業財産権を行使するためには、先ずは出願することでスタートラインに立てるわけです。

例えば、日本で特許権を取得したから、タイでも特許権を行使できるはずと誤解されている方もいますが、特許権等の産業財産権は、全てタイで出願をして登録されないと権利を得られません。

日本だけでなくタイでも、知財権を取得しておくことが必要です。

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