有名寺院の僧侶長が寺の資金3億B以上を横領
仏教への信仰心が厚いタイでは、衝撃が走っている…

©警察ラジオ

仏教を国教とするタイは仏教への信仰心が厚く、国民の9割以上が仏教徒。タイ社会に仏教は深く根付いており、特に僧侶は公共交通機関の優先席で席を譲るべき対象とされるほど敬意を集める存在。

そんな中、ある有名僧侶による巨額横領事件が起き、人々に大きな衝撃を与えている。

ナコーンパトム県の有名寺院「ワット・ライキン寺院」。歴史ある王室寺院として現地の人からはもちろん、観光客からの人気も非常に高い。しかし、そこで僧侶長を務める「プラ・タンマワチラーヌワット(本名:イエム・インクルンカオ)」氏(69歳)に資金横領の容疑が浮上。

警察は僧侶長の関係者から「僧侶長が横領しているかもれない」との報告を受け、昨年10月から約半年間にも及ぶ潜入捜査を実施。ついに確固たる証拠を掴んだ警察は、容疑者である僧侶長を逮捕したのだという。

捜査の結果、僧侶長は2021年からお布施などで集まった寺の資金3億B以上を自分の銀行口座へ繰り返し送金し、そのお金のほとんどがある女性のもとへ送られていたことが判明。女性は僧侶長の交際相手で、オンラインカジノの仲介役だったといい、横領されたお金はオンラインカジノに使われたとみられている。

今回の事件が明るみになったことで国民からは多くの失望の声が上がり、仏教界隈の有名僧侶からは「人の信仰心を悪用して、大怪盗より極悪非道」などと批判。
タイではここ最近、寺や僧侶による不祥事が相次いでおり、宗教組織への不信感が募る一方だという。

本来は人々に良い影響を与えるべく存在の僧侶による前代未聞の犯行。全容の解明にはまだ時間がかかりそうだ。

 

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る