タイ在住の皆さん、医療保険はどうしていますか?
きっと多くの方々は大きな病気や事故もなく過ごしていると思いますが、医療保険は万一のために加入するもの。
医療保険はタイに長期滞在している駐在員とその家族は会社規定に準じて加入していることが多いかもしれませんが、現地採用として働く人や個人経営者などは自身で加入しなければなりません。
まだ医療保険に加入していないという人は、タイに住んでいるのなら知っておくべき医療保険の基礎知識をぜひ参考にしてみてください。
タイの医療保険事情!知っておくべき「5つの基礎知識」
タイの病院は日本と同様に公立と私立病院があります。医療水準は高く、特に有名私立病院の場合は外国人が医療ツーリズムを利用して、わざわざ医療を受けに来るほどです。
中には5つ星ホテルにも負けないような設備とサービスを提供する私立病院もあり、日本から来てそれを初めて体感するときっと驚くはず。
そんなタイの医療環境の背景にある医療保険の基礎知識をお届けします。
知っておきたいこと1 日本のような健康保険制度がない
タイには日本のような健康保険制度がなく、いわゆる「国民皆保険」ではありません。勤務中の会社で加入する社会保険制度はありますが、保険で医療行為を受けたい場合は、個人の裁量によって任意で保険への加入が必要となります。
知っておきたいこと3 自由診療なので診療にはある程度のお金が必要
同じ病気を治すのにかかる医療費がどの病院でもほぼ同様の日本。
一方タイは自由診療なので医療費は病院によって異なり、同じ病気に対する治療方法やレベルも病院によって違います。
多くの日本人が利用するのは日本人窓口や通訳サービスがあり、それ相応のお金が必要です。そこで大切になってくるのが民間医療保険への加入ということになります。
知っておきたいこと4 タイで加入する民間医療保険
例えば晴れて駐在となり、タイで暮らすことになったら、タイで民間医療保険に加入することができます。
メリットとしては、ほとんどの保険でキャッシュレス治療が可能だということ。ただし加入後3カ月後からキャッシュレス治療が適用になるなど保険によって細則はあります。
加入してしまえば全ての病気をカバーしてくれるのはもちろん、プランによって高度医療にも対応したり、一定の期間保険を使わなかった場合には支払った保険金の一部が戻るものも。掛け金によって様々な補償を選べるのも民間医療保険の特徴です。
知っておきたいこと5 日本にいる間に加入する海外旅行傷害保険
海外旅行に出かける際に加入する海外旅行傷害保険。この保険にも、病気やケガに対する手厚い医療保険が付いています。そのメリットは、日本にいる間に加入できること。日本の保険会社が扱っている保険も多いので、質問などを日本語ですることができます。
また、ほとんどの保険がキャッシュレス治療に対応しているので、治療費の立て替え払いの心配も少ないと言えるでしょう。旅行保険なので、携帯品、個人賠償、緊急帰国費用など多くの特約が付いているのも同保険ならではです。ただ、加入可能な年齢に制限があることに注意。
また、クレジットカードに付帯している旅行傷害保険は、日本を出国してから3カ月以内のみしか保険が適用されない場合がほとんどなので、この点にも注意が必要です。
タイの医療保険のまとめ
タイで会社勤めをしている人のほとんどは、社会保険に加入しています。ただ、その保障で十分なのか、家族の保険はどうなっているのかなどを確かめる必要があるでしょう。また、会社が民間の医療保険に加入しているかいないかも確認したいもの。さらに出産、歯の治療などをカバーしているのかも気になるところです。
いずれにしても保険はとても複雑。民間医療保険を扱う会社には保険のプロが在籍。無料でしかも日本語で相談できるので、ぜひ利用してみてください。
タイの医療保険は3種類!どれがいいの?
タイの民間医療保険
- ◯ キャッシュレス対応が可能。
- ◯ 加入してしまえば、これからなる病気はすべてカバー(終身)。
- ◯ タイに来た後に申し込める。
- ◯ 掛け金によって様々な保険が選べる。
- ◯サミティヴェートやバムルンラード等の日本人御用達となっている病院でも使える。
- ◯ すぐ契約可能。また在タイする保険のプロに相談して契約できる。
- × 持病や健康状態の審査が厳しいので、入るなら健康なうちに!
海外旅行傷害保険
- ◯ 日本にいる時に申し込める。
- ◯ キャッシュレス対応が可能な場合が多い。
- ◯ 既往症も病院にレコードがなければ問題なし。
- ◯ さまざまな特約(携行品、個人賠償、緊急帰国費用など)。
- × 日本でしか契約することができない。
- × 加入に年齢制限があり、結構低い。
- × クレジットカード保険の場合は、タイに来てからの保険が期限切れになっていないか注意(日本出国後3ヶ月以内の期限がほとんど)。
タイの社会保険
- ◯ 通院・入院含めて、指定の病院であれば医療費、薬代が無料。
- × タイでの勤務開始後3ヶ月間は使えない。
- × 日本語には対応していない。
- × ローカル病院なので診察に行く人も多く、混雑している場合がある。
- × 保険加入時に1つだけ病院を選ぶ必要があり、それ以外の病院は基本保険適用外。
- × 選んだ指定病院がバンコクで、旅先などで大きな怪我や病気になった場合、現地での治療は自費になる(病院側が緊急と判断した場合は保険が適用されることも有り)。
保険に入らない場合
- ◯ 保険料を払う必要がない。
- × 緊急時に病院が対応してくれない。
- × 医療費が高額になった際、突然の出費が発生してしまう。
保険のプロ「Insurance110バンコク」伊奈さんに聞きました。
保険のプロ
伊奈さん
医療保険に加入するとメリットはあるのですか?
駐在員が加入している医療保険は、会社が用意してくれている海外旅行傷害保険である場合がほとんどです。一方、現地採用者の加入が多いのはタイで加入する医療保険。これはコロナ禍がきっかけとなり、感染を心配した人たちの加入が多かったからでしょう。
医療保険に加入するメリットとしては、保険の種類や掛け金に伴う保障内容にもよりますが、「キャッシュレスで治療を受けられる」「ほとんどの病気をカバーできる」「タイへ来た後に保険のプロに相談しながら契約できる」ことなどがあると思います。
保険未加入だと病院が治療してくれないって本当ですか?
海外の病院ではよくあることですが、治療費の支払い能力がないと判断された場合、治療を受けられないことが現実的にあります。
例えば、高齢の方が倒れて意識を失い、友人が発見。
すぐに病院へ運んだ際に、病院から言われたのは、「(治療費)どなたがお支払いされますか?」でした。
友人はすぐに日本の親族へ連絡を入れ、家族から返事をもらい病院へ連絡。
すると病院は、運ばれてから8時間経ったのちに治療を開始したことがあったといいます。
ウソのような本当の話です。
民間の医療保険に入っていれば大丈夫ということですね?
前述であるケースの場合、タイの医療保険に加入していれば、加入者であることのわかるカードを発行してもらえます。財布などに常備携帯していれば、例え事故で意識不明になったとしてもカードが見つかれば運ばれた病院ですぐに治療を施されるでしょう。
つまり、病院側はカードを見ることで「支払い能力がある」と判断します。