コロナ禍における上手な病院のかかり方

“病院に行きたいけれど、新型コロナウイルスの感染リスクが心配”“コロナ以外の症状の診察はしてもらえるのか…”こうした理由から病院への通院・診察をためらう、いわゆる「受診控え」が世界的に広がっています。
しかし、見方を変えれば病院はいわば“感染症対策のプロフェッショナル”。コロナが流行するずっと前から外来患者はもちろんのこと、免疫力が弱い入院中の患者や妊婦・赤ちゃんたちを守るために、どこよりも行き届いた院内感染対策を実施しているのです。
現在、タイのほとんどの病院では感染症に係る診療科以外は通常通りの診療を行っており、受診による院内感染の可能性も低いとのこと。
病気の早期発見・治療のためにもいたずらに恐れず、心掛けたいポイントを覚えておきましょう。

①過度な「受診控え」は、健康リスクを高める原因になる

自己判断で持病の治療を中断したり、軽い症状だからとそのまま放置してしまうと、気づかぬ間に病状が進行し、取り返しのつかない事態にもなりかねません。
また、早期のがんをはじめ自覚症状が現れにくい病気も少なくないため、定期的な健康診断・人間ドックも決して「不要不急」ではありません。
隠れた病気によってウイルスに対する免疫力が低下すると、感染・重症化のリスクが高まると言われています。
持病がある人や健康に不安がある人は定期的に受診するようにしましょう。


②自身の「受診控え」が、周囲の健康被害を招く可能性も

適切な受診は自らの健康維持のためだけでなく、自分自身ひいては周囲の人々の感染・重症化抑制にも繋がると言われています。
自らが感染源となって“自分のせいで感染させてしまった……”と悔やんだり、大切な家族や友人を悲しませることがないように、上手に病院へかかり健康のセルフマネジメントに取り組みましょう。


③赤ちゃんの「予防接種」を自己判断で遅らせるのは危険

多くの医療機関が警鐘を鳴らしているのが、「赤ちゃんの予防接種のタイミング」についてです。
“赤ちゃんを連れて行くのは心配” “もう少し感染状況が落ち着いてから……”という保護者の声も聞かれますが、もともと予防接種のスケジュールは感染症にかかりやすい年齢や医療事情などに基づいて国ごとで設定されており、接種をずらしたことにより免疫の獲得が遅れると、その分だけ感染症にかかるリスクも高くなります。

赤ちゃんがお母さんからもらった免疫(抗体)は生後6カ月頃にはなくなってしまうもの。
お母さんの免疫の代わりに赤ちゃんを病気から守ってくれるのが予防接種だと考え、スケジュール通りの予防接種や乳幼児健診を心掛けましょう。


④電話・E−mail等で「事前相談・予約」して受診するのも手

ほとんどの病院・診療科では予約なしで受診できますが、院内での待ち時間を減らすための工夫として、事前に症状や希望する診療内容について問い合わせておくとスムーズです。バンコク中心部にある大手私立病院なら通訳が常勤し、日本語で対応してくれるので、タイ語・英語に不慣れな方でも安心です。


⑤病院に行くべきか迷ったら、「オンライン診療」を賢く活用

新型コロナの流行に伴い、バンコク都内にある一部の病院・日系クリニックでは、テレビ電話機能を介したオンライン診療を本格導入。
施設によって手順や診療内容は異なりますが、問診票の入力から診療、薬の処方まですべて自宅にいながらオンラインで完結できる場合もあります。
詳しい検査などはできないためあくまで簡易的な診療になりますが、病院に行くべきか迷ったときや通院が困難な場合、また医師の顔を見ながら質問・相談したい場合などに重宝します。


⑥各医療施設が行う感染予防対策を確認・院内での指示に従う

タイでは2022年6月から屋内を含めたマスク着用義務は解除されましたが、医療施設ではマスクの着用、検温、手指のアルコール消毒といった基本的な感染対策を実施中です。

また、発熱・咳・喉の痛みといったコロナの感染が疑われる症状がある場合には、一般患者とは別の入口を通って受診ができるように導線が分離されています。感染が確認された場合、直接病院へは行かず、まずは病院へ問い合わせて各施設の指示に従いましょう。




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