外国人観光客がサメに噛まれケガ。 専門家は危険性は低いとするが、遊泳禁止は続く
タイのリゾート地ホアヒンで4月15日、遊泳中のノルウエー人男性がサメに噛まれ、大ケガをしたというニュースが流れた。その後、同海域で撮ったとされる危険性の高いオオメジロザメの動画が個人のフェイスブック上に投稿されるやいなや、危険視する声が国中を駆け巡り大きな話題となった。
事態を重く見た天然資源・環境省海洋沿岸資源局は同月18日、一帯を遊泳禁止にした。
サメに襲われたと聞くと映画「ジョーズ」を思い出し、震える人も多いだろう。
ただ、ニュースを見た専門家らは「危険性は低い」と声を揃える。
海洋資源研究開発センターのワチャラー獣医は「サメはオオメジロザメだろう。
だが、人間を襲うつもりではなく、被害者の足を餌と間違えたのではないか」と、人を襲う危険性については否定。
「結果的に足を餌ではないと気づき逃げていた」とした。
一方、カセサート大学漁業学部のトーン副学部長は、「ケガの写真からツマグロザメだと推測、このサメは危険性が低い」と同地域での危険性はないとした。
同副学部長によれば、タイでサメに襲われたという事件は少なく、サメに襲われる率は2億分の1だという。
さらに、最後にサメに襲われて人が亡くなったという事件は、50年以上前の記録のみ。
タイを訪れるプロダイバーらも、「自然のサメを見られる貴重な海だ」と改めて危険性を否定していた。
同地域は王室の保養地としても知られ、日本人観光客にも人気が高い。
それだけに、早く安全宣言が出されることを祈る。