手軽な配車アプリvs地元のバイクタクシー。 ときは今、生き残りをかけた“戦国時代”へ突入し…
昨年9月、タイ運輸省はスマートフォンなどの端末から乗用車を手配できる配車アプリ「Grab Taxi」を法的に認めると発表。現在法改正が進められ、早ければ今月中にも施行される見込みだ。
また同バイク版の「Grab Bike」についても合法化を検討しているが、綿密な規定が求められ実現には至っていない。
そんなさなかの今月2日、バイクタクシーの運転手らがGrab Bikeの運転手を袋叩きにする動画がFacebook上に投稿され、物議を醸している。
動画を公開したのは、都内プラカノンに住む20代の女性。
アプリを通じてバイクを自宅前に呼んだものの、乗車時に地元のバイクタクシー業者がGrab Bikeの運転手に対し「我々の縄張りなので、ここから客を乗車させることは許されない」と主張。
口論の末、集まった仲間と共に暴行に及んだのだという。
自身も顔を殴られたという利用者女性は、騒動の様子を納めた動画と共に、運営側であるGrab社の安全対策についても疑問を提起。
乗客はもちろん、運転手が安心して働ける環境づくりを訴えた。
タイでは今回のような事件が頻発していることから、同調する声も多く寄せられている。
そもそもバイクタクシーは公共交通整備が不十分だった1980年代に誕生し、2003年になってようやく法整備されたもの。
登録制だが収入は安定せず、当然ながら一人でも多くの乗客を獲得しなければならない。
現状を受け、政府はこれからどう動くのか。
行方を見守りたい。