“宿なし”のヤドカリ救済大作戦

予期せぬ出来事尽くしの2020年もいよいよ最終章へ。 政府の救いの手は、海の生き物たちへも届けられていた!

不穏な空気が流れるこの年の瀬に、南部クラビー県からちょっぴり心を和ませる明るいニュースが届いた。

人類がパンデミックに苦しんだ今年、皮肉にも一部の観光地ではヒトやモノの移動が制限された影響で自然環境が好転している。

既報の通り、アンダマン海沖合にはなんと危急種のジュゴンやシャチモドキの大群が出現し、ウミガメの産卵数はここ数年で最大とも言われる。

手付かずの自然が残る同県のロック島もまた観光客激減の“恩恵”を受け、島内のヤドカリの個体数が激増。

島を管理するランタ諸島国立公園当局によればむしろ棲み家となる貝殻が不足し、1万匹以上が浜辺に放置された瓶や缶、ペットボトルに“借りぐらし”する状況に陥ったという。

このような事態から当局では11月上旬、SNSを通じて“貝殻を寄付して、ヤドカリたちを助けてほしい”と呼び掛け。

ヤドカリを本来あるべき姿に戻すための計画「ラック・セーシュアン(ヤドカリの維持)」を発表した。

余談だが、名前の通りヤドカリは貝を宿に生息し、寿命は最長20年ほど。

危険を感じると身を貝の中に引っ込める習性があり、大きさに合わせて貝を変えなければ生きられない。

当局の活動が功を奏し、タイ国内はもとより日本をなど諸外国からも貝殻が届き、わずか1カ月で総重量1トン超、およそ10万個にも到達。

今月12日には2回目の散布が行われ、計画は無事に終了したようだ。

当局では定点カメラで散布後の様子を観察。

公園局長も「ヤドカリは島の生態系に欠かせない存在。

年越し前に新居に移れてよかった」と祝福コメントを寄せ、大団円を迎えた。

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