“ゲーマー戦士”たちの夢の跡

『数万人がノーマスクで熱狂観戦する「eスポーツ」の祭典。 その決勝戦で起きた、まさかの“試合放棄”のワケとは…

今や世界の競技人口は1億人超。

その市場規模はコロナ禍を追い風に急拡大し、ここタイでも爆発的な人気を誇る「eスポーツ」をご存じだろうか。

「『eスポーツ』とは…」という方のために補足すると、オンラインによる対戦型競技を指し、プレイヤーはいわゆる“プロゲーマー”。

エンタメ性が高く、現在開催中のIOC公認大会も注目の的だ。

タイでは先般、世界大会「AWC 2021」の出場権をかけた当局主催の予選が行われ、4地区・8チームの精鋭が熱戦を繰り広げた。

今年は感染対策のため無観客・完全リモートと異例の状況下となったが、ひと際注目を集めたのが南部地区の決勝戦である。

“世界最強の5人になれ!”のキャッチコピーでも知られるゲーム「Arena of Valor(伝説対決)」上で、5人1組で競い合う同大会。

決勝では優勝候補の「Bacon Dream」対「ADMINMIE E-Sport」の白熱バトルが期待されていた。

ところが、試合開始から僅か2分後、後者チームが突如試合を退出。

20分経っても再開できず、大会側は優勝候補の不戦勝を発表するに至った。

この予想外の展開に、画面越しに試合を見守っていた観客らは「臆病者の敵前逃亡」「中断理由の説明を」と非難轟々(ごうごう)あまりの猛攻に後者チームはその後、「プレイヤーの自宅付近で火災が起き、停電により回線がダウンしたため」と棄権理由を釈明するハメに…。

しかも、運悪く火元が化学薬品を扱う工場で、避難のため離脱せざるを得なかったのだという。

さすがに火災とあっては皆押し黙ったが、一部には再試合を望む切なる声も…。

事故の負傷者がいなかったのは幸いだが、優勝を目前に「停電」にやられるとは、なんともお気の毒である。

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