タイにもさまざまな種類があるため、滞在する目的に合わせたビザを取得する必要があります。
ビジネスマンや学生の場合は、所属する会社や学校が手続きをしてくれるケースが多いと思いますが、個人で取得するとなると何かと不安が多いもの。
専門知識が豊富な代行業者を利用するのがオススメです。
また、ビザ取得後に手続きが必要な、90日ごとに居住地を申告する、いわゆる「90日レポート」や、タイから出国・再入国をする際に必要な「リエントリーパーミット」についても解説します。
2022年1月13日時点の情報です。
観光ビザ
概要
観光(ツーリスト)という言葉が付いていますが、「滞在日数が60日間以内の人」と「観光か仕事目的でタイを訪れる人」の2つの条件が揃っていれば、誰でも取得可能となっています。
30日間以内滞在用と60日間以内滞在用に分かれ、日本はタイの「ビザ免除国・地域リスト(短期滞在)」に入っているため、30日間以内滞在であればビザの取得は不要です。
そのため、日本国発行のパスポートを持っている(日本国籍を持っている)場合は、短期間の旅行(30日間以内)であればビザを取得しなくてもタイへ入国できます。
また、60日間滞在できる観光ビザを取得した時には「シングルエントリー(再入国不可)」と「マルチプルエントリー(再入国可)」の2種類があるので、期間中に複数回出入国をする予定があればマルチプルエントリーを取得しましょう。
マルチプルエントリーの場合は、再入国時に再び滞在許可日数は1日目から数え直しになります。
対象となる資格(条件)
- 外交・公用でない観光・仕事などが目的で60日以内の短期間滞在
- タイでの就労は禁止
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
発行から3カ月間(シングルエントリー)、または6カ月間(マルチプルエントリー)
滞在許可日数
60日間まで
※滞在が30日間以下の場合、ビザの取得は不要
費用
- 4,500円(シングルエントリー)
- 22,000円(マルチプルエントリー)
ノンイミグラント-Bビザ(Business)
概要
タイ国内で就労する外国人用のビザです。一括りに「Bタイプ」とされていますが、仕事内容(就労/ワーキング・教師・ビジネス/投資家)によって申請に必要な書類などが異なります。
対象となる資格(条件)
- タイ国内での就労(教師含む)が目的で訪れる人
- タイ国内での商談・投資が目的で訪れる人
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
発行から3カ月間(シングルエントリー)
滞在許可日数
90日間まで
費用
9,000円(シングルエントリー)
ノンイミグラント-Oビザ(Other Purposes)
概要
就労やビジネス、教育関係以外用のビザです。様々な種類があり、必要書類は種類によって異なります。
対象となる資格(条件)
- タイ国内に60日間以上滞在する予定の人
- タイ国内で就労をしないで、以下のいずれかに当てはまる人
- タイ人の配偶者・扶養家族がいる
- タイ国内で正規労働の外国人配偶者・扶養家族がいる
- 未成年の学生がいる保護者
- 治療を行う
- 満50歳以上で老後の生活やロングステイをする
- ボランティア活動をする
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
- 発行から3カ月間(シングルエントリー)
- ロングステイ1年の場合、発行から1年間(マルチプルエントリー)
- ロングステイ5年の場合、発行から5年間(マルチプルエントリー)
滞在許可日数
- 90日まで
- ロングステイ1年の場合、1年間まで(マルチプルエントリー)
- ロングステイ5年の場合、5年間まで(マルチプルエントリー)
費用
- 9,000円(シングルエントリー)
- ロングステイ1年の場合、22,000円(マルチプルエントリー)
- ロングステイ5年の場合、44,000円(マルチプルエントリー)
ノンイミグラント-EDビザ(Education)
概要
タイの教育機関(学校・大学など)に入学や留学する人が取得するビザです。
教育機関によって必要な書類が異なるので、事前に確認してください。
また、2021年12月時点では私立語学学校や塾、及びムエタイなどの習得を目的とする留学はこの種類に含まれていません。
対象となる資格(条件)
- タイ国内に60日間以上滞在する予定の人
- タイ国内で就労をしないで、以下のいずれかに当てはまる人
- タイ国立教育機関(小学校、中学校、高等学校、大学)に入学する人
- タイ国立大学付属語学学校に入学する人
- タイ私立教育機関(小学校、中学校、高等学校、大学、インターナショナルスクール)に入学する人
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
- 発行から3カ月間(シングルエントリー)
滞在許可日数
- 90日間まで
費用
- 9,000円(シングルエントリー)
ノンイミグラント-Mビザ(Media)
概要
ジャーナリスト、及び映画やドラマ撮影などを目的にタイへ訪れるためのビザです。
映画撮影の場合はタイ観光・スポーツ省観光局からの承認状が必要になるので注意してください。
対象となる資格(条件)
- 90日以上滞在し、タイ国内でジャーナリスト、及び報道活動関係職に務める人
- 外国の報道機関に務める場合も含まれます
- 90日以下の滞在はノンイミグラントビザ-B(就労)を申請してください。この場合、有効期限がある労働許可証(Work Permit)を既に所持している必要があります
- 新たにタイへ駐在する労働許可証を持っていない人は、タイ大使館広報担当官と面接をする必要があります。面接後、許可が降りてWP3<タイ労働福祉省雇用部門発行のThe Letter of consideration of Work Permit(ワークパーミットの事前審査受理書)>を所持していればビザ申請が可能です
- タイで映画・ドラマなどの撮影関係職に務める人
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
- 発行から3カ月間(シングルエントリー)
滞在許可日数
- 90日間まで
費用
- 9,000円(シングルエントリー)
トランジットビザ(Transit:TS)
概要
第3国へ行くために、タイで短期間滞在するためのビザとなっていますが、アスリートがタイのスポーツ大会などに参加するためのビザでもあります。
なお、タイのトランジットエリアで12時間以内の乗り換えをする待機であれば、ビザの発行は必要ありません。
対象となる資格(条件)
- 第3国へ行くトランジット(飛行機乗り換え待機)目的でタイに滞在する人
※12時間以内のトランジットエリアでの待機はビザは不要 - タイでのスポーツ活動や試合に参加するアスリートとスポーツ関係者
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
- 発行から3カ月間(シングルエントリー)
滞在許可日数
- 30日間まで
費用
- 3,500円(シングルエントリー)
外交/公用ビザ(Diplomatic/Official)
概要
外交が目的で日本政府公認の外交官、及び官職者がタイに訪れる際に必要なビザです。
政府公認のため費用は無料となっており、現在は代行申請が可能。
対象となる資格(条件)
- 日本政府公認の外交官
- 日本政府公認の外交代表で働いている官職者
- 日本政府機関で働いている官職者
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
有効期間
- 発行から3カ月間(シングルエントリー)
滞在許可日数
- 90日間まで
費用
- 公費として国が負担
永住権(Permanent Residency)
概要
タイ永住権の年間枠は各国100人と定められています。
タイに永住したい人は毎年の12月前後(2021年は11月22日~12月30日)の申請可能期間に、タイのイミグレーション及び在日タイ大使館・領事館で永住権の申請ができます。
永住権取得の難易度はアメリカ合衆国や日本のように高くありませんが、前述の各種ビザを取得するよりも永住権取得時の方が申請書類の数は多く、費用も高くなります。
アメリカの「抽選永住権」のような制度はありません。
対象となる資格(条件)
- ノンイミグラントビザ(年金O・ロングステイ1年O-A・ロングステイ5年O-Xは対象外)を所持し、1年以上のビザ延長履歴がある
- 3年以上タイに滞在した経歴がある
- 申請者が14歳以上の場合、犯罪歴がないことを証明すること
- タイ語を日常会話程度習得
- 以下いずれのカテゴリに当てはまる人
- 投資者(タイに投資している)
- 就労者(タイ国内で就労している)
- 専門家(タイに恩恵をもたらす専門家・特殊技能者)
- 特例(政府機関が特別に許可している)
- タイ人の配偶者・家族がいる
- タイ人の配偶者・家族がいる
申請に必要な書類
- 永住権申請書(TM.9)
- 経歴書(Personal Information)
- タイでの居住所及び職場の地図・写真
- 国立病院発行の健康診断書(3カ月以内)
※1.~4.のフォームはこちら - 申請者が14歳以上の場合、無犯罪証明書
- それぞれの申請カテゴリに必要な書類
- 申請者のカテゴリと条件によって要求される書類が異なります
- 各カテゴリに必要な書類はタイ入国管理局(Immigration Bureau)の資料(.pdf)で確認してください。資料のダウンロードページはこちら
- 申請手数料7,600B(返金不可)
- 受領後191,400B(既に永住権を持つ外国人の配偶者及び子どもは95,700B)
取得方法
在日タイ大使館・領事館へ申請に行きます。
日本はタイのE-VISAサービス(オンラインでビザ申請・受理システム)対象外のため、申請者本人、または代理人が大使館・領事館へ直接申請しに行かなければなりません。
また、在日タイ大使館・領事館へ行く前に、ビザ申請オンラインで事前予約(VABO)をしてください。
申請後の流れ
申請した日から90日以内にタイ語の面接が行われ、就労者のカテゴリに申請した場合は仕事内容やタイで働くきっかけなどを聞かれます。
タイ人配偶者がいる場合は関係や出会いなどと、カテゴリに関連する質問が一般的です。
その後の結果は公式で120日以内とされているため、ビザの滞在可能期間が受領通知が来るまで180日延長されます。
永住権を持つことで様々なメリットがあり、例えば「タイに入国する際のビザ」や「90日レポートが不要」になったり、タイのコンドミニアムやアパートを購入する際は外貨送金証明書の提出が不要になるので手軽に購入することが可能です。
また、タイに帰化したい場合は、永住権取得が必要条件となります。
ビザ申請が可能な在日本タイ大使館・領事館
1.在東京タイ王国大使館
住所 | 〒141-0021 東京都品川区上大崎3-14-6 |
---|---|
電話 | (03)5789-2433 |
infosect@thaiembassy.jp | |
申請オンライン予約VABO | http://vabo.thaiembassy.jp/vabo/index.php |
2.在大阪タイ王国総領事館
住所 | 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町1丁目9番16号バンコック銀行ビル4階 |
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電話 | (06) 6262-9226、(06) 6262-9227 |
申請オンライン予約VABO | http://thaiconsulate-visa.jp/vabo/index.php/en/ |
3.在福岡タイ王国総領事館
住所 | 〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神4丁目1番37号 第1明星ビル2階 |
---|---|
電話 | 092-739-9090 |
E-mail(オフィス) | thaiconsulate.FUK@mfa.go.th |
E-mail(領事部) | visa.FUK@mfa.go.th |
リエントリー パーミット(再入国許可証)
概要
シングルエントリーのビザを所持していて、一時的にタイを出国してから再入国する場合に必要な許可証です。
シングル(1回のみ再入国可能)とマルチプル(期限内に何回でも再入国可能)の2種類に分けられます(所有するビザがマルチエントリービザの場合は不要)。
申請可能な場所はタイのイミグレーションと、スワンナプーム空港などの国際空港でも申請は可能です(空港の場合は手数料が高くなる場合があります)。
なお、リエントリー パーミットの有効期限は、所有しているビザと同じ日までとなります。
申請に必要な書類
- リエントリーパーミット申請書(TM.8)。資料のダウンロードページはこちら
- 申請者のカラー写真1枚(サイズ 4×6cm)
- 有効な旅券(パスポート)
- TM.6(タイ入国時に記入した入出国証明カード)
- 費用1,000B(シングル)/3,800B(マルチプル)
リエントリーパーミット
- 再入国時に、入国カードのVISA番号欄にこの番号を記入
- 有効期限
- 申請には2タイプあります。「Single」は1回の渡航のみ有効、「Multiple」は有効期限内は無制限です
90日レポート(TM.47)
概要
90日以上居住地申告(TM.47)とは通称「90日レポート」のことです。
外国人がタイに90日以上滞在する場合は、タイでの現住居を最寄りのイミグレーションに報告する必要があります。
初回申請後も90日ごとに申告してください。
申請に必要な書類
- 90日以上居住地申告(TM.47)
- 有効な旅券(パスポート)
- TM.6(タイ入国時に記入した入出国証明カード)
- 外国人居住地申告(TM.30)受理書(以下詳細説明)
- 以前の90日レポート受理書(ある場合のみ)
オンライン・代理申請も可能
会社に所属している場合、人事が申請してくれる場合が多いでしょう。
90日レポート申請サイト | https://tm47.immigration.go.th/tm47/#/login |
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入国90日後、期限日の15日前(入国75日後)から7日後(入国97日後)までが申請可能期間です。
申請可能期間を過ぎて申請する場合は2,000Bの罰金が発生し、逮捕された場合は5,000Bと200×日数が課せられるので注意してください。
また、一度タイから出国して再入国した場合、再入国日から90日後が期日となります。
※90日レポートは滞在期間延長ではありません
外国人居住地申告(TM.30)
概要
外国人がタイへ旅行や短期のビジネスなどで訪れたり、長期滞在で居住生活を始めるときも24時間以内に申請しなければならないのが、この外国人居住地申告(TM.30)です。
法令上、この申告は居住提供者(居住の保有者であるホテルやサービスアパートメントの営業者、寮の管理人など)の責任で申請されるものなので、友人宅などへ宿泊されるときなどはその友人が申請する必要があります。
何かの手違いで申告がされていない場合は、90日レポートを申告する際に発覚すると問題になることがあるので注意してください。
念のため早めに居住提供者に確認したほうがよいでしょう。
申請に必要な書類
- 外国人居住地申告(TM.30)
- 住居の住所登録証のコピー
- 住居保有者のIDカードのコピー
- 住居の契約書(コンドミニアム・アパートメント部屋の契約書等)
- 居住する外国人の旅券(パスポート)
- 居住する外国人のTM.6(タイ入国時に記入した入出国証明カード)
バンコク都のイミグレーション
1.チェーンワタナ支局
アクセス | SRTレッドラインのラックシー駅から車(タクシー)7分 |
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電話 | 02-141-9889 |
2.ムアントンターニー臨時支局
アクセス | SRTレッドラインのドンムアン駅から車(タクシー)20分 |
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電話 | 02-141-9889 |
- 現在コロナ対策でバンコク都第1支局のイミグレーションはチェーンワタナ支局ムアントンターニー臨時支局と、2カ所に分かれています
- 2021年12月現在、90日レポート(TM.47)、外国人居住地申告(TM.30)、及び観光ビザ(TR)延長の申請はムアントンターニー臨時支局でのみ可能となっており、それ以外の申請はチェーンワタナ支局で可能です
- ムアントンターニー臨時支局はチェーンワタナ支局同様「第1支局」として扱われています