バスよりも鉄道を公共交通機関の主軸に据えたい政府。 新構想で共存共栄の道を探る
バンコクを縦横無尽に走る路線バス。表示はタイ語のみで路線も難解。
乗りこなすには難易度の高い移動手段だが、今、このバスの新構想が話題になっている。
かつては1日300万人が利用する庶民の足だったが、BTSに代表される都市鉄道の登場により、その数は半減。
都内にはバンコク大量輸送公社(BMTA)と民営のバスが混在し、鉄道と同じルートも走るため利用客を食い合い、長距離路線は渋滞の一因にもなっている。
この状況を鑑み、陸運局とBMTAが協力し、路線バスのルート改編計画を発表。
今の路線を、幹線を結ぶ支線バスとして運行するというものだ。
最終的に運用を民間に委託する可能性に加え、走行地域によって車体の色を分けるルートカラーや、英字サインシステムの導入案も盛り込まれた。
8月15日から、BMTA8路線で一カ月間の試験運用を始めたが、反応は芳しくない。
「色が車体の一部しか塗られておらず分かりにくい」「英字は瞬時に判別しにくい」といった声が挙がった。
一方バス職員達には、ルートが変わって交通がスムーズになり、走行距離の短縮で休憩が取りやすくなったと歓迎されているようだ。
変化を見せ始めたバンコクのバス事情だが、ルート確定には鉄道の新駅とヒトの流れ、都市計画などの不確定要素が絡み合う。
さらにドライバーの質の向上、老朽化した車体の問題など課題は山積。
厳しい船出となったようだ。