下院議員80人の資産公開

牛500頭やタイのお守り「プラ・クルアン」など

国家汚職制圧委員会(NACC)は、タイ下院議員80人の資産状況を公開した。

これによると、先の総選挙で台風の目となった新未来党のタナトーン党首が、資産50億Bを超えたという。

議員によっては数千万Bの価値と言われるタイのお守り「プラ・クルアン」や、牛500頭など、珍しい資産にも注目が集まっている。

注目のタナトーン党首の内訳は、ヨット1,000万Bのほか、新党結成の際に党へ貸し付けた約1億9,000万Bのローンなど、総額56億Bとなった。

自動車部品メーカー「タイサミットグループ」の副社長でもある同党首は、「同党の設立が遅く、資金集めに時間的余裕がなく、党に貸し付ける形で運営資金とした」と経緯を語っている。

同党は、今後3年間に渡って、8,000万B、4,000万B、4,120万Bと、同党首に対し、返済していくという。

これについて選挙管理委員会は、一連の融資が法律に抵触するかどうかを検討中。

仮に、同委員会が抵触すると判断した場合、タナトーン氏は最大5年間の禁固刑となるとともに、5年間の選挙権が剥奪とされる。

さらに、同委員会が憲法裁判所に訴え、解党処分もあり得るという。

政府内の法律専門家でもあるウィッサヌ副首相は「タナトーン氏の融資が政党財源として考えられるかどうかが焦点。

この点について法律では曖昧な表現のため、選挙管理委員会に一任されるべきだ」と話している。

一方、タイ・シビライズド党のモンコンキット党首は「プラ・クルアン」計7,000万B(相当の価値)を所有。

また、新未来党のスポークスマンであるパンニカ議員は、資産の大半がジュエリーやアクセサリー品だったという。

同党のピヤブット議員は、ノンタブリー県の土地(350万B)に加え、タイ語と外国語の書籍、計125万B相当を所有。

国民国家の力党のパーリーナー議員は、牛500頭(1,700万B相当)の資産を有する。

プラユット首相や閣僚については、NACCが「前閣僚は総辞職後30日以内に再び任命された場合は、資産報告の必要なし」とした。

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