2021年の特別公休日

連休創出で国内観光の促進を狙うタイ政府の筋書きと、国民の反応とは

正月休みが明け、混雑を避けた通勤や時短・在宅勤務など、例年とは異なる仕事初めを迎えた人も少なくないだろう。

早くも次の休暇が待ち遠しい人もいるに違いない。

ラチャダー政府副報道官によると、昨年末に閣議承認された2021年(仏暦2564年)の特別公休日は計8日ある。

うち全国共通は、①2月12日の「中国旧正月」、②4月12日の「タイ正月(ソンクラン)」、③7月27日の「入安居」の振替、④9月24日の「マヒドンの日」の4日があり、今年のソンクランは最大で6連休となる。

また史上初の試みとして、各地方別の公休日を設定。

こちらは地域の伝統行事に準じて定められ、東北部の「ロケット祭り(5月10日)」や南部の「10月祭り(10月6日)」など4日分がある。

この他、10月23日の祝日「チュラロンコーン大王記念日」の振替休日を10月22日に前倒しすることで年間で24日の公休日が創出された。

ただし、金融機関や民間企業での導入はあくまで各事業者の裁量に委ねられるという。

こうした取り組みについてイッティポンム文化大臣は「昨年の特別連休には全国各地で良い経済効果が見られた。

観光産業回復に期待が寄せられる」と述べ、景気刺激策であることを強調。

事実、ソンクランの振り替え休暇となった昨年7月下旬の4連休中、東部トラート県沖のチャーン、マーク、クッドの3島には同月上旬の5%増となる3億B以上の観光収入がもたらされ、11月中旬の特別連休には延べ5万人がプーケットを訪れている。

しかし現在、より深刻な第2波の脅威に晒されていることは周知の通り。

多くの国民からは「休業補償・生活困窮者の支援が先決」「医療崩壊に繋がりかねない」と政府の方向性に疑問の声が噴出する。

また発表から僅か1週間後の今月5日には、タイ国政府観光庁のユタサック総裁が国内旅行の推進を一時的に停止すると表明。

第一四半期の旅行者数を1億2000万人、観光収入を7千億Bと見込んでいたが、下方修正する意向を示した。

例のごとく急な舵切りが予想されるが、本誌では今年も変化に富んだタイの最新情報をわかりやすくお届けしていく。

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