東部航空都市ウタパオ構想

東部パタヤ中心部から南へ約40kmに位置するウタパオ国際空港は、海軍が所有する航空基地に併設されている。

現在は2つのターミナルと3500mの滑走路1本を有し、年間旅客対応能力は約370万人。

元々はベトナム戦争時代にアメリカの軍事空港として開発された経緯を持つ、国際空港である。

現在、同空港を運営する「U-Tapao International Aviation(UTA)」は12月18日、バンコク都チャトチャック区で新オフィスビルの着工式を開くと同時に、ウタパオ国際空港開発プロジェクトを推進させる決意を新たに示した。

UTAが目指すのは、ウタパオを第3の主要商業国際空港へと拡張し、東部経済回廊 (EEC )開発計画の核とすることだという。

また、高速鉄道でドンムアン空港とスワンナプーム国際空港に接続すると、3空港の年間旅客対応能力の合計は約2億人。

ここが観光産業と物流の中心となり、晴れて“東部航空都市”が実現することになる。

空港インフラの発展は、パタヤから25kmほどの地点にあるイースタンシーボード工業団地を国内の主要ビジネス都市へと昇華させるプランにも連動している。

2020年6月、UTAがタイ東部経済回廊事務局(EECO)と締結した、同国際空港開発プロジェクトに関する契約の事業規模は約2,900億Bに上り、開業当初5年間に見込まれる雇用は年間約15600人。

航空事業に関わる労働力を洗練させ、優れた人材を集結させることで技術力の高度化も狙っている。

資金拠出こそはないが、空港運営に関するノウハウの提供に成田空港が協力するという計画もあり、国際水準の質の高いな空港サービスも期待できるところだ。

最新型大型旅客機の離着陸が可能な2つ目の滑走路、124の駐機場、航空機整備センター。

さらに45万㎡もの巨大なターミナルビル。

これらが実際に稼働し始めると、生まれ変わるウタパオ国際空港は年間6000万人もの利用客に対応できるハブ空港の一つとなる。

第1期工事の竣工は2024年、完成は2055年の予定。

新しい航空都市の誕生が今から楽しみだ。

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