刺激策が効くタイの購買意欲

小売販売を推進する起爆剤。 9.9キャンペーンが大成功

新型コロナウイルス感染拡大の影響が影を落とす世界経済。

それはタイも例外ではない状況だが、国内旅行を推奨して経済を潤すなど、回復のための施策を相次いで投入している。

家計における収入減などで財布の紐が固くなっている昨今。

官民が打ち出す策により、少しずつ光明が差し始めているようだ。

そんな状況下の9日、タイ財閥最大手「セントラルグループ」をはじめとした数社が「9.9キャンペーン」という販売促進キャンペーンを実施した。

9という数字はタイのラッキーナンバーでもあり、前進や繰り上がりといった意味を表す縁起のいいものとされている。

キャンペーンの内容も90%割り引きや9Bセールなど9にちなんだものが多く、まさにラッキーナンバーの祭典だ。

結果は極めて良好で、デパートやショッピングモールへの入店客数は従来の80〜90%まで戻り、多くの店舗が活況の様相を見せたという。

また、同キャンペーンは「Lazada」「Shopee」といった通販サイトでも大々的に展開。

「Lazada」ではサイト上の2000店舗以上が最大90%割り引きや、午前9時と午後9時に999Bクーポン配布などを実施。

1時間以内の注文数は通常時の34倍増、5万8000着以上の女性服が購入された。

そして、同じ通販サイトでありタイ最大の「Shopee」は9B限定品、最大90%割り引きなどを実施。

1時間以内でおよそ1200万点の商品が売れ、ピーク時には1分で70万点が売れたという。

この「9.9キャンペーン」の効果で、ショッピングを楽しむという雰囲気が戻ってきたとともに、消費者の購買意欲に火をつけることになったと言えるだろう。

セントラルワールドなどを運営するCPNのマーケティング担当副社長ナッタキット氏は、「入店客数はほぼ通常レベルに戻り、特にファッション製品とレストランの売り上げが上向きになってきた。

従来、観光客をメインターゲットにして展開していたモールでの、国内の顧客を呼び込む作戦が功をなした」と語っている。

コロナショックを打ち消すような、さらなる購買意欲の刺激策に期待したい。

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