政府からの“贈り物”

低所得層への支援金給付に賛否両論

何かと物入りな年の瀬。タイでは、政府による国民支援のための経済政策に注目が集まる。

その筆頭が、387億バーツ(約1,343億円)を投じ、低所得層救済プロジェクトの一環として昨年10月に導入した「福祉カード」だ。現在、延べ1450万人に支給される同カード。所得に応じた支援金(200〜300バーツ)が毎月政府から振り込まれ、生活費として利用されている。また、支援金の他にも高齢者の医療・住居費、光熱費や公共交通機関利用などの補助金が付与され、最高で毎月2,000バーツほどを受け取れるという。

さらに今年、政府は「年越しの祝い金」と称して、同カードから現金500バーツを引き出し可能にすると発表。今月8日より支給を開始し、クルンタイ銀行のATMには連日長蛇の列ができた。これを受け、タイ開発研究所(TDRI)は「まだ不十分な政策だが、経済促進の一助になる。低所得層にはさらに手厚い支援の継続が必要だ」と、評価を示した。

一方で、この祝い金は総額72億5,000万バーツの税金を財源としているため、SNS上では「税金の使いみちを検討すべきだ」と、中・高所得層の不満が爆発。低所得層への支援の方向性を巡り、議論を巻き起こしている。

2015年より、タイでは年末の買い物振興策を実施。こちらも低所得層の生活支援や消費喚起を目的とし、①政府推進のOTOP(一村一品運動)特産 ②本・電子書籍 ③自動車やバイクなどタイ産ゴム製品の購入・サービスを受けると、最大1万5,000バーツまでの所得控除を認めるというものだ(今年は12月15日〜翌1月15日の買い物が対象)。今年で3年目の実施となるが、このショッピング減税によりGDPは0.1〜0.2%ほど上昇すると見込まれ、年末消費の起爆剤として各企業から期待が寄せられている。

今年はヤシ農家を対象とした救済プロジェクトが本格始動し、今後もさまざまな国民支援策が講じられると推測。しかし、果たして何が“真の救済”となり、国民の生活を豊かにするのか。引き続き行方を見守りたい。

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