個人債務にSTOP!

クレジットカードと個人ローン利用限度額を引き下げ

 


タイ中央銀行は9月1日以降に申し込む新規クレジットカードの利用限度額と、個人ローンの融資限度額を引き下げると発表した。2017年第一四半期のタイ人の家計債務はGDPの78.6%。16年同時期より高く、なかでも、Y世代のうちの約半分が個人債務を背負っているという。09年は一人当たり7万Bであった負債額も、16年は15万Bまでに増加。今回の規制強化は、前述を受け、銀行の不良債権(NPL)比率の上昇に対処することが目的だ。

まずは、クレジットカードの利用限度額の引き下げ。従来、タイでクレジットカードを作るには月収1万5,000B以上の収入が必要で、利用限度額は一律月収の5倍。ところが今回は、利用限度額を月収額によって細分化。月収3万B未満は月収の1.5倍。月収3〜5万B未満は同3倍。月収5万B以上は同5倍と設定された。また、既存・新規に関わらず、上限金利を20%から18%に引き下げることも決まった。

次に、個人ローンの融資限度額引き下げ。こちらも今までは一律月収の5倍だったが、クレジットカードの新利用限度額同様、月収額によって細分化。月収3万B未満は月収の1.5倍、借り入れは最大3社まで。月収3万B以上は同5倍となり、借り入れ先は無制限となる。

今回の規制により、国民からは、「今まで以上に闇金融に頼る人が増えるのでは」という懸念の声が上がっている。それに対し、同銀行のルシュキット副総裁は、「緊急特別対策として、利用者の状況と各金融機関の話し合いで、両限度額を上げるケースもあり得る」とコメント。また、タイ銀行協会・クレジットカードビジネス部長のターコーン氏は、カード会社の売り上げは約10%減になると予測した。 カシコン銀行カシコン・タイ研究センターは、Y世代の負債は緩やかに減少傾向を見せていくだろうと発表したが、各々が“マイペンライ”のひと言では済まされない問題ということを認識し、幸ある人生を送ってほしい。

 

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る