警察が中国籍女子大生救出
強いられる「仮想誘拐」被害

©警察中央捜査部(CIB)

6月3日、タイ警察は国際詐欺グループによる手口「仮想誘拐(Virtual Kidnapping)」の被害に遭っていた21歳の中国籍女子大生を中部サムットプラーカーン県のホテルから無事に保護したと発表した。

犯罪組織は、被害者を香港からタイへ渡航させた上で誘拐されたように偽装させ、家族に対して身代金を要求していた。

捜査の結果、被害者は電話やビデオ通話を介して詐欺グループから持続的な精神的支配を受けており、強い恐怖心から指示に従っていたことが明らかになった。

事件の発端は、被害者の父親が6月1日に娘から送られてきたビデオクリップを受け取ったことである。その映像には、娘が暴行を受け監禁されているような姿が映し出されており、解放の条件として300万香港ドル(約1,250万B)の身代金を要求するメッセージが添えられていた。

しかし、被害者の父親によると、娘は過去にも同様の手口で詐欺被害に遭い、すでに家族から多額のお金を騙し取られていたため、家族はすぐに不審に思い動画の内容を鵜呑みにせず、娘の行方を追うため香港警察へ通報してタイ当局との連携を要請したという。

タイ警察の発表によると、被害者は塗料や化粧品を使って自身の身体に暴行を受けたような傷跡を作り、ロープや結束バンドで自分を縛って監禁されているように見せかけ、カメラを設置して家族への身代金要求に使う救助要請の動画を自ら撮影していた。

救出後、被害者の父親は娘を引き取るためにタイへ渡航し、共に香港へ帰国した。警察は今回の国際詐欺グループの背後にいる首謀者を追跡するため、引き続き捜査の手を広げている。

タイ警察によると、この手口は「仮想誘拐」と呼ばれるものであり、脅迫や被害者の恐怖心を利用して被害者自身に状況を自作自演させ、その映像を用いて家族から金銭を騙し取る犯罪形態であると説明した。

このような事件はタイ国内ではまだ珍しいものの、世界各地で発生しており、過去にはタイ人が被害に遭ったケースもあるため、警察は近親者からの脅迫や身代金要求の連絡があった際には警戒を強めるよう呼びかけている。

(6月3日=タイPBS)

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